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実は1年中注意が必要な食中毒!正しく知って正しく防ごう!について

執筆者: 松堂莉奈(薬剤師)
[記事公開日] 2023-09-11 [最終更新日] 2023-09-11
食中毒は気温の高い夏場に多いイメージですが、実は年間をとおして発生しています。厚生労働省の統計によると食中毒による患者数は6856人(令和4年)となっています。

夏場の気温が高い時期は細菌性食中毒、冬にはウイルス性食中毒が多く、またアニサキスなどの寄生虫による食中毒は年間をとおして注意しなければなりません。食中毒にならないようにするためには、日頃から正しい予防法を知っておく必要があります。今回は食中毒の正しい予防法について解説していきます。
[ 目次 ]
実は1年中注意が必要な食中毒!正しく知って正しく防ごう!について

食中毒とは?

食中毒とは原因物質が食品や容器などに付着して体内へ侵入することで発生します。食中毒の原因物質は、細菌、ウイルス、寄生虫、キノコやフグの自然毒など多岐にわたります。代表的な症状は下痢や嘔吐、発熱ですが、重症化すると生死にかかわるものもあるので注意が必要です。

令和4年度の原因物質別発生状況ではノロウイルスの患者数が1番多く、次いでウエルシュ菌、カンピロバクター、アニサキスの順に多くなっています。

カキの生食には要注意!人から人へ感染しやすいノロウイルス

ノロウイルスによる食中毒は毎年11月~2月頃にかけて多く発生しています。

感染の原因は、
1.加熱不十分なウイルスが蓄積されたカキなどの「二枚貝」を食べて感染する
2.食品を調理する人が感染しており、その人が触った食品や食器などを介して感染する
3.ノロウイルス患者の糞便や嘔吐物から感染する
などの経路があります。

ノロウイルスに感染すると、24時間~48時間後に激しい吐き気、下痢、発熱などの症状が見られます。通常は2~3日で回復します。

ノロウイルスによる食中毒は感染力の高さから、大規模な食中毒になりやすいのが特徴です。食品からの一次感染はもちろん、患者から看病する人へ感染する二次感染を防ぐことも大切です。

感染を防ぐには、
1.二枚貝は十分に加熱して食べる
2.ウイルスの原因となる食品をあつかった調理器具は、他の食材を調理する前に必ず洗剤などで綺麗に洗い、85℃以上の熱湯で十分食毒する
3.感染者の触れたものや、排泄物の処理はマスク、手袋、ガウンを着用して適切に処理する

ノロウイルスは加熱に弱いとされていますが、軽く湯通しするだけでは死滅しません。食品中心部の温度が85℃以上になるように、90秒以上加熱が必要です。

感染者の排泄物に含まれるウイルスでも容易に感染します。そのため排泄物の処理は適切にしなければなりません。一般的にウイルスにはエタノール消毒が有効ですが、ノロウイルスに対してはエタノールは効果がないので注意してください。

ノロウイルスに有効な次亜塩素酸ナトリウム消毒液はご家庭で使用される「家庭用塩素系漂白剤」で作ることができます。

5%の濃度の漂白剤を例にすると、ドアノブなど感染者が触れた場所は、ペットボトルキャップ2杯分と500mLのペットボトル5本分と混ぜたもの、嘔吐物や便が付着した場所は、ペットボトルキャップ2杯分と500mLのペットボトル1本分と混ぜたものを使用すると消毒できます。

たくさん作ったカレーに要注意!大量調理の食品で増えやすいウエルシュ菌

ウエルシュ菌は夏場に多いですが、年間をとおして発生するので注意しましょう。ノロウイルスと同じく大規模感染を起こすのが特徴です。感染の原因はカレーやシチュー、煮物など大量に調理した食品を常温で数時間放置しておくことで増殖します。

感染すると、6~18時間後に腹痛と下痢などの症状をおこします。発熱や嘔吐はほとんどみられません。発症後1~2日で回復することが多いですが、高齢者や子供などはまれに重症化することがあります。

感染を防ぐには
1.大量に調理した食品を常温のまま放置しない
2.保存する場合は、温度が下がりやすいよう食品を小分けして、冷蔵庫で保存する
3.食品を再加熱するときは良く混ぜながら調理する

ウエルシュ菌は嫌気性菌といって酸素を好まない菌なので、なべ底までしっかりよく混ぜて加熱することが大切です。
実は1年中注意が必要な食中毒!正しく知って正しく防ごう!について

加熱不十分な鶏肉には要注意!鶏肉料理に多いカンピロバクター

カンピロバクターによる食中毒は6月~9月にかけて多く発生します。感染の原因は、鶏レバーやささみなどの生食やタタキなどの加熱不十分な鶏肉の摂取が主な原因です。

カンピロバクターに感染すると、下痢、発熱、嘔吐、倦怠感などの症状がおこります。症状は3日~6日続きます。まれに重症化すると手足の麻痺や、顔面麻痺などを起こすギラン・バレー症候群を発症することがあります。

感染を防ぐには、
1.鶏肉は中心部まで十分に加熱する
2.鶏肉を調理した後は十分に手洗いをする
3.鶏肉は他の食材とわけて保存する

鶏肉は中心温度が75℃以上になるように1分以上加熱しましょう。

鮮度がおちた魚介類は要注意!感染すると激しい痛みがでるアニサキス

アニサキスは寄生虫による食中毒で、年間をとおして発生しています。アニサキスが寄生している魚介類を生で食べることでアニサキスが体内に入り感染します。

アニサキスに感染すると食後数時間後に、みぞおちの激しい痛みや嘔吐を生じます。
感染してしまった場合は、胃カメラで除去してもらう必要があります。

感染を防ぐには、
1.新鮮な魚介類を選ぶ
2.魚を1尾で買ってきた場合は新鮮なうちに内臓処理をする
3.魚の内臓を生で食べることは避ける

アニサキスは魚の内臓に寄生していますが、鮮度がおちてくると筋肉などわたしたちが食べる部分へ移動してきます。購入した後は鮮度がおちないように保存し、すばやく調理することが大切です。

酢でしめたり、お醤油など調味料では死滅しませんので気を付けましょう。

家庭でできる食中毒の3原則

食中毒は「付けない」「増やさない」「やっつける」という3つが原則になります。

【付けない】
・食品を扱う前には必ず手洗いをしましょう
・肉や魚、卵などを触った後も手洗いをしましょう

付けないの基本的な対策は手洗いです。石鹸を用いて丁寧に手洗いする習慣をつけましょう。

【増やさない】
・食品は買ったらすぐに冷蔵庫へ
・魚や肉の汁が冷蔵庫内に付かないように包んで保存
・冷蔵庫に食品をつめすぎない

もし食中毒の原因物質が食品に付いていても、食中毒を起こすレベルまで増やさないようにすることが大切です。

【やっつける】
・加熱は十分にする
・電子レンジを使用するときは、加熱ムラがないように
・包丁やまな板などの調理器具も洗剤でよく洗い、熱湯で殺菌する

ほとんどの細菌、ウイルスが加熱によって死滅します。中心部が75℃以上で、1分以上、ノロウイルスの場合は85℃以上で、90秒以上加熱しましょう。
実は1年中注意が必要な食中毒!正しく知って正しく防ごう!について

食中毒になってしまったら

症状が軽い場合はご自宅で安静にし、消化のしやすいおかゆやうどんなどを食べましょう。下痢や嘔吐がある場合は経口補水液などを使い、脱水症状に十分注意してください。脱水状態がひどい場合は病院で点滴が必要ですので、早めに病院を受診しましょう。

また高齢者やこどもは症状が悪化しやすいので、すぐに病院を受診してください。

下痢がひどいからといって安易に下痢止めを使用するのは控えましょう。下痢止めによって腸の動きをとめてしまうと、細菌やウイルスを体内から排泄できなくなるため長引く原因になります。

まとめ

食中毒は正しい知識をみにつけることで防ぐことができます。
年間をとおして発生していることから、夏場の気温が高い時期だけでなく、1年をとおして気をゆるめずに対策しましょう。
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