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放置するとキケン!糖尿病の症状と合併症について

執筆者: 永田健(内科医)
[記事公開日] 2023-06-28 [最終更新日] 2023-06-28
「健診で血糖値がひっかかったけど、何も症状ないし、まあいいか」と放置していませんか?糖尿病は初期症状に乏しく、症状が出始めるころには進行している場合があります。さらに糖尿病の合併症はおそろしく、命を奪うものも。今回は、放置するとキケンな糖尿病の症状と合併症について解説します。
[ 目次 ]
放置するとキケン!糖尿病の症状と合併症について

糖尿病ってどんな病気?

糖尿病とは、インスリンという血糖値を下げるホルモンの相対的な作用不足によって血糖値が高い状態がつづく病気です。

インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、体のなかで唯一血糖値を下げることができるとても重要なホルモンです。

糖尿病患者では、このインスリンが供給されない、もしくはインスリンへの感受性が下がっています。その原因は、遺伝的な要因に加えて生活習慣が多く関与しています。

日本では、糖尿病の疑いがある人はなんと1300万人を超えており、今後も増加が懸念されています。それにもかかわらず、多くの方が治療を受けていないというのが現状で、実際に40代以上の男性の50%が未治療という報告も。

「ただ血糖値が高くなるだけでしょう?」と油断していると、心臓病や腎臓病、神経障害、網膜症など、さまざまなおそろしい合併症を発症します。糖尿病は早期に発見し早期に治療がもっとも大切です。

今回は糖尿病発症を見過ごさないために、症状に注目して解説します!

「のどがすごく渇いて、おしっこがよくでる」それ糖尿病かも!

血糖値とは血液中の糖分の濃度をさします。

糖尿病では、インスリンの作用不足によって血糖値が高くなる、つまり血液中の糖分の濃度が高くなっています。

この血液の濃度を薄くするためには水分が必要になるため、本能的に「のどが渇く」という症状が出現します。

その結果、過剰に摂取した水分が尿として排せつされ、「おしっこがよくでる」という症状が認められます。

尿中にも糖分は排せつされ、これが「糖尿病」と呼ばれる由来です。

「よく食べるのに、急に体重が減った」それ糖尿病かも!

インスリンはただ血糖値をさげているのではなく、糖分をエネルギーとして体の各臓器に運び、余ったエネルギーを肝臓や脂肪細胞に蓄える働きがあります。

糖尿病では、インスリンが減少し、うまくエネルギーを蓄えられません。その結果、必要なエネルギーを余分な脂肪細胞だけでなく、筋肉の細胞を分解することで補おうとします。

その結果、必要な脂肪や筋肉が失われ、体重が減少してしまいます。急激な体重減少をきっかけに糖尿病が発覚する場合も多いです。

「足のうらに紙がはりついたような変な感じがする」それ糖尿病かも!

糖尿病の三大合併症のひとつに神経障害があります。糖尿病性神経障害といい、合併症のなかでも早期に症状がでるのが特徴です。

高血糖状態がつづくと神経を栄養する血管に血流障害が起こり、その結果として神経障害が生じると考えられています。

主に、血管の細い手足の先の神経から左右対称に障害され、しびれや痛み、感覚鈍麻、感覚異常として自覚します。症状は徐々に中心に近づくように進行していきます。

手のひらや足の裏は感覚の異常に敏感です。「手足にペタっと何かが張り付いた感覚がする」という訴えで糖尿病が発覚することもあります。

目の見え方がおかしい、視野が欠けている」それ糖尿病かも!

糖尿病の三大合併症のもうひとつが糖尿病網膜症です。網膜を栄養している微小な血管の血流障害によって生じ、進行すると眼底出血や網膜剥離が起こり、最悪の場合失明します。

糖尿病網膜症が症状として出現する頃には、すでに神経症状などほかの症状が先行して出ている可能性が高いです。

糖尿病の診断がついている場合がほとんどですので、定期的な眼科検査を行い、早期発見と早期治療に努めましょう。

放置するとおそろしい合併症が待っています・・・。

糖尿病の三大合併症の最後は糖尿病腎症です。

糖尿病を発症してから長期間が経過すると、腎臓を栄養する血管や、糸球体という尿を生成する器官にダメージが蓄積します。その結果、腎臓の機能が障害され、さらに進行すると腎不全へと至ります。

腎臓が機能しなくなれば透析が必要です。糖尿病性腎症は、日本の新規透析導入原因の第1位です。

これら三大合併症だけでなく、おそろしい合併症はほかにもたくさんあります。

もっともおそろしいものは心筋梗塞などの心疾患です。心筋梗塞は治療が遅れれば、そのまま命を落とす場合も多く、致命的といえます。

そのほかには、脳梗塞などの脳卒中が挙げられます。脳梗塞も最悪の場合、命を落とします。運よく命は助かっても、重い後遺症を残す場合も。

そして意外に知られていないのは、足壊疽です。足壊疽とは、足の大きな血管が詰まることで血流障害を起こし、腐ってしまう状態です。腐った足は感染症の温床となるため、切断する必要があります。重い感染症を発症してしまうと、そのまま命を落とす場合もあります。
放置するとキケン!糖尿病の症状と合併症について

まとめ

糖尿病は自覚症状に乏しく、健康意識の低い方では発症に気付かない場合が多いです。

さらに早期にみられる症状は軽く、治療を受けない人も。放置すればおそろしい合併症は避けられません。

糖尿病を早期に発見し、早期の治療を行うことで合併症を予防しましょう。
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