ナンバーサプリのウィズメディカ倶楽部 vol.202607

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夏の紫外線対策

執筆者: 橘田 絵里香(形成外科医)
[記事公開日] 2026-07-01 [最終更新日] 2026-07-20
日光に含まれる紫外線は、肌にシミ・シワといった直接の影響を与えるのみならず、その奥深くに到達し、老化を促進するさまざまな症状を引き起こします。手強い相手ではありますが、「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」、ぜひともこの機会に見直してみましょう。
[ 目次 ]
夏の紫外線対策

皮膚だけじゃない!深層に達する紫外線に要注意!!

紫外線はお肌のみならず、全身にわたって様々な影響を及ぼし、老化や疾患の原因となります。
日光に含まれる紫外線は、肌にシミ・シワといった直接の影響を与えるのみならず、その奥深くに到達し、老化を促進するさまざまな症状を引き起こします。全身に日焼けをしたあと、なんか疲れた感じがしたり、よく眠れる、などといった経験はこうした要因からくるものです。

夏の紫外線は確かに手強いですが、「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」、ぜひともこの機会に見直してみましょう。
夏の紫外線対策

「うっかり日焼け」の予防手段は「二段構え」で

日差しによる活性酸素の生成を防止するためには、とにかく日焼けを予防すること。キーワードは「とにかく丸腰で日光を浴びないこと」です。

筆者がいつも外来でお勧めしているのは、日焼け止めの塗布に加え、物理的な遮光と飲む日焼け止め、合わせて2つ以上の手段を組み合わせることです。

日焼け止めは、まずきちんと表示をみていただくことが大切です。SPFと書かれているのがUVBに対する値、PAと書かれているのがUVAに対する値です。この2つは波長の違いで、UVBは波長280-320nm、UVAは320-400nmです。 波長の短いUVBは皮膚表面に作用し、しみの原因になったり、遺伝子の変異を引き起こして皮膚がんのリスクを高めます。波長が長いUVAは皮膚の深くに入りこむという性質があり、皮膚で言うところのシワやたるみ、全身の疲れといったカラダの奥深くに関与します。従い、SPF・PA両方の数値が表示された日焼け止めを選ぶ必要があります。

焼けてしまうと一番後悔するのが顔、うなじ、手の甲ですので、その辺りを踏まえ、SPF30、PA+++以上の日焼け止めを適量塗るのですが、この際、指先のみを使用し、2度塗りとしてください。ものすごくざっくりではありますが、実は日焼け止めのこの数値、皆様が想像するより多めに塗られることが前提とされているのです。さらに、手のひらに吸収される分が想定されていない。ゆえに指先のみで、2度塗りです。こうしていただくことが、適量塗布いただく近道です。

厄介なのが「塗り直し」。朝の一回きりでは夏を乗り切れません。汗や皮脂、タオルで汗を拭う際の摩擦などで、日焼け止めは時間とともにどうしても落ちてしまうからです。
ここで「メイクをしているから塗り直せない!」というお悩みをよく聞きます。筆者はメイクの上から使えるスプレータイプの日焼け止めや、UVカット効果のあるフェイスパウダーなどを愛用しています。

理想は「2〜3時間おき」の塗り直しといいますが、なかなか実践は難しいのが現状ですよね。
ゆえに「物理的遮光との二段構え」が推奨される、とも言えます。日焼け止めに加え、ぜひとも日傘、帽子、サングラス、アームカバー、飲む日焼け止めといった、さらにもう1つの手段を組み合わせましょう。
夏の紫外線対策

ついやりがちな日焼け対策の「盲点」

髪と頭皮も、夏は意外な盲点です。分け目や頭頂部は日差しを直接受けやすく、日焼けすると赤み、かゆみ、乾燥、皮むけの原因になります。髪も紫外線で乾燥し、パサつきやカラーの退色が起こりやすくなります。帽子をかぶる、髪用のUVスプレーを使う、長時間屋外にいる日は分け目を変えるなど、できる範囲で守ってあげましょう。

「ちょっとだけならいいか」日常のふとした瞬間に浴びてしまう紫外線にこそ注意が必要です。洗濯物を干したり取り込んだりする時、ポストに郵便物を取りに行く時、「ちょっとそこまで」お買い物や自転車に乗る時…大体油断している方がほとんどです。ほんの1分2分でも、365日積み重なるとどうなるか…! くれぐれもお気をつけください。
夏の紫外線対策

それでも体内に入ってきてしまった紫外線には「抗酸化」

酸化ストレスは、適切な食事やサプリメントの摂取で予防できます。「飲む日焼け止め」もこのカテゴリーに属します。
ビタミンCを含む果物や野菜、ビタミンEを含むナッツ類、βカロテンを含む緑黄色野菜、ポリフェノールを含む食品などを日々の食事に取り入れましょう。

ただし、「これを食べたから焼けない」という魔法の食品はありません。飲む日焼け止めやサプリメントも、あくまで補助であり、先に申し上げた日焼け対策との併用が原則です。
夏の紫外線対策

それでも焼けてしまったら──時間勝負のアフターケア

どれだけ対策をしていても、夏のレジャーなどで「うっかり焼けてしまった!」という事態は起こり得ます。慌てずに応急処置を行いましょう。

日焼け後の肌は「やけど」を起こしている状態です。赤みやほてりに対し、まずは「徹底的なクーリング」、とにかく肌を冷やして炎症を鎮めることが最優先です。冷水で濡らしたタオルや、保冷剤をタオルで包んだものを患部に当て、ほてりが引くまで優しく冷やしましょう。この時、絶対にゴシゴシと擦ってはいけません。

刺激の強いスキンケアを重ねたりせず、冷却を優先します。痛みや赤みがひどい時、水ぶくれが生じてしまっている時などは、ぜひとも皮膚科を受診してください。

痛みや熱感が引いた後、ここでようやくスキンケアの出番です。刺激の強い成分(ピーリング成分や、一部の攻めた美白成分など)は避け、まずは保湿優先でいきましょう。美白ケアを取り入れるのは、肌の赤みやヒリヒリ感が完全に落ち着いてからにしてください。

以上、
見えない紫外線を防ぐ意識、正しい日焼け止めの使い方、そして万が一のアフターケアについてお伝えしました。いかがでしたでしょうか?
外側からの徹底ブロックと、内側からのケアを両立させて、健康的で若々しい肌と体を守り抜きましょう! 今日からぜひ、実践してみてくださいね!

フィトケミカルってなに?取り入れて作る健康な身体

執筆者: 上田 光世(管理栄養士)
[記事公開日] 2024-08-27 [最終更新日] 2026-06-08
フィトケミカルという言葉を耳にしたことはありますか?
炭水化物やたんぱく質などと比べると、馴染みのない言葉だと思います。食品には、5大栄養素とよばれる、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルの他にも、生体調節機能を持つさまざまな成分が含まれています。
フィトケミカルもこの1つで、5大栄養素のように代謝のしくみや摂取基準が明らかになっているものではありませんが、実は第7の栄養素と呼ばれるほど近年では注目が集まっています。
今回は、このフィトケミカルについてご紹介したいと思います。
[ 目次 ]
フィトケミカルってなに?取り入れて作る健康な身体

フィトケミカルとは

第7の栄養素ともよばれるフィトケミカルですが、その正体はどんなものなのでしょうか。

フィトケミカルには、「フィト=植物」「ケミカル=化学成分」といった言葉の意味があり、植物が紫外線や外的から身を守るためにつくりだされた物質のことです。

香りや色、辛味、渋みなどのもとになっています。

必須栄養素には含まれないものの、その成分には抗酸化力や免疫を高める力があり、適量を摂取することで健康に役立つと考えられています。

フィトケミカルの種類には、代表的なものに、ブルーベリーのアントシアニンや大豆のイソフラボンなどがあります。

ちなみに第6の栄養素は、野菜や果物・きのこ類・海藻類に多く含まれる食物繊維のことをいいます。

5大栄養素に加えて、第6の栄養素、第7の栄養素もしっかりと摂取していきたいですね。

代表的なフィトケミカルについて

ここではフィトケミカルを大きく5タイプに分類して、ご紹介していきたいと思います。

①ポリフェノール類(植物が光合成を行う際に生成される物質の総称で、ほぼすべての植物が持つ苦味・渋み・色素の成分)

・アントシアニン・・・ブルーベリーなどに含まれる色素の成分。視力の維持・回復に役立つ。

・イソフラボン・・・大豆などマメ科の植物に含まれる。女性ホルモンに似た働きをする。

・カテキン・・・緑茶の渋みの主成分。抗酸化作用・抗菌作用があり、生活習慣病の予防や抗がん作用などさまざまな
        健康効果が期待できる。

②カロテノイド類(動植物や藻類、光合成の合成最近によって合成される天然の脂溶性色素。主に、緑黄色野菜などに含まれる黄色やオレンジ、赤などの色素成分)

・リコペン・・・トマトなどに含まれる赤い色素成分。強い抗酸化作用があり、紫外線から皮膚を守る働きがある。

・ルテイン・・・ほうれん草、ブロッコリー、キャベツなどに含まれる黄色の色素成分。がん予防や視力の維持・回 
        服、老化予防に働く。

・ℬ-カロテン・・・かぼちゃや人参に含まれる赤橙色色素の1つ。体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康
          維持に働く。

③含硫化合物(分子内に硫黄を含む化合物の総称で、空気や水と硫黄が反応することで生成される香りや辛味成分)

・アリシン・・・ねぎやにんにくなどに含まれる。強力な抗菌・殺菌作用があるほか、高い疲労回復も期待される。

・イソチオシアネート・・・キャベツや大根、ブロッコリーなどのアブラナ科に多い辛み成分。がんや血栓予防に
             働く。

④テルペン類(柑橘類やハーブ類特有の香りや苦味成分)

・リモネン・・・柑橘類の皮に含まれる香り成分。免疫向上、リラックス効果、消化吸収を助ける働きがある。

・メントール・・・ミントに含まれる成分。清涼感があり、抗菌・抗ウイルス作用があるとされる。

・ジテルペン・・・シソ科の植物に多い香りの成分。がん予防や抑制に効果的。

⑤アルカロイド類(植物中に存在し、窒素を含む塩基化合物の総称)

・カプサイシン・・・唐辛子やししとうに含まれる辛み成分。脂肪の燃焼を促進したり、体温をあげて発汗を促したり
          することで、ダイエット効果を期待できる。

・ピぺリン・・・こしょうに含まれる辛み成分。血圧を下げる効果や、内臓温度の上昇による冷え性の改善が期待でき  
        る。
             
フィトケミカルってなに?取り入れて作る健康な身体

フィトケミカルのとりいれ方

フィトケミカルは頑丈な細胞に包まれているため、そのまま食べるだけでは吸収率が悪く、吸収率をあげるためには加熱調理をすることがおすすめです。

また、皮やヘタなど普段捨ててしまうところにもフィトケミカルは含まれています。

皮やヘタをよく洗って使用することで、無駄なくフィトケミカルを身体にとりいれていきましょう。

◎おすすめの調理例

・調理後のポリフェノールは水に溶けやすい性質を持ちます。茹でて溶けだしたフィトケミカルを摂取するためには、
 煮汁ごと食べることのできる、スープや煮物などがおすすめです。

 普段は捨ててしまう皮やヘタも、細かく刻むなどして他の具材と一緒に摂取したり、パックに詰めてだしをとるなど  
 して利用してみるのもいいです。

・カロテノイドは、油に溶けやすい性質があるため、油で炒める料理などにするとおすすめです。

 ほうれん草と人参のソテーにするなどして、炒め油も一緒に摂取すれば、無駄なくフィトケミカルをとりいれること  
 ができますね。

 このように、食材の種類だけではなく、それぞれの性質に合わせた調理法を使うことも、フィトケミカルを効率よく
 摂取するためのポイントになってきます。

  
フィトケミカルってなに?取り入れて作る健康な身体

まとめ

いかがでしたか。

フィトケミカルは、私たちの普段使用する食材にたくさん含まれており、その数は数千以上にものぼるといわれていま
す。

毎日の食事のなかに、意識してフィトケミカルを取り入れることで、健康な身体を作っていきましょう。
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