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意外と知らない「やけど」正確な知識をここでおさらい!

執筆者: 橘田 絵里香 (形成外科医)
[記事公開日] 2024-01-01 [最終更新日] 2024-02-02
寒いこの時期に増える健康トラブルの一つが「やけど」です。が、正確な知識を持っている人は意外と少なく、間違った応急処置をして病院を受診される方がとても多く、治りが遅くなってしまうことにもなりかねません。実は侮れない「やけど」この機会におさらいしておきましょう。
[ 目次 ]
意外と知らない「やけど」正確な知識をここでおさらい!

寒い冬はやけどにご用心…!

寒いこの時期に増える健康トラブルの一つが「やけど」です。ストーブ、ファンヒーター、こたつ、ホットカーペット、湯たんぽ、加湿器などの暖房器の使用機会が増え、食事の際はお鍋、ホットプレート、電気ポットが置かれる機会が増え、あつあつメニューが並びます。
受傷後の正しい応急処置方法を知らず、民間療法を行ってしまい、治るのが遅くなってしまったり、顔面、手、会陰部など、特殊部位のやけどや、皮膚が薄くて重症化しやすいお子さんのやけどなど、早く病院を受診した方が良いにもかかわらず、数日置いてしまったりといったケースも目立ちます。

冬のこの時期、大事に至る前に、この場で改めて、やけどの種類や応急処置について見直してみましょう。

ポットの蒸気、熱湯などでーーいわゆる「やけど」の応急処置

直ちに冷却することで、受傷部位の痛みをやわらげ、熱による皮膚への損傷が深くなることを防ぐことができます、ということはどなたでもご存知かと思います。
が、何でどのように冷却すればよいのか、正確にご存知の方、意外と少ない。

冷却は流水が基本です。流しの水道のお水やシャワーのお水をたっぷり流します。服の上からやけどした場合、衣服は無理に脱がず、衣服の上から流水を直接流しましょう。手指のやけどの場合は例外で、指輪をあらかじめ外すようにしてください。受傷後時間がたってから指がはれて抜けなくなり、指輪を切断しなければならない事態となることがあります。冷却は20分くらい行ってください。

保冷剤を使用している方が多いですが、流水での冷却を優先させてほしいところです。直接保冷剤を当てますと凍傷を引き起こしたり、冷却剤とやけどした皮膚がくっついてしまって、水ぶくれがやぶけてしまうこともあります。病院への道中、どうしても痛い時に、タオルやハンカチ越しに使用する、などが現実的です。

水ぶくれができてしまっている場合は出来るだけ破らないようにしましょう。水ぶくれが敗れてしまうことで、痛みがひどくなってしまうことが多いです。

「自分でなんとかなる」とならないことも多いのがやけどの特徴の一つです。小さい子供や高齢者のやけど、顔や手、陰部のやけどは早いうちに必ず病院へ行ってください。それ以外の部分のやけども、なるべく早くやけどの専門医(皮膚科や形成外科の医師)がいる病院を受診することで、間違った処置をしてしまうリスクを軽減できます。

さて、こうしていわゆるよく知られた「やけど」の他、次のような特殊な形態の「やけど」にも要注意です。
意外と知らない「やけど」正確な知識をここでおさらい!

「火だこ」ーーふと気づいたら太ももやふくらはぎの裏が…

今、ストーブの使用機会がだいぶ減っているので、そう見なくなりましたが、太ももやふくらはぎの裏などに、赤や茶色い網みたいなまだら模様が、と受診される方、たまにいらっしゃいます。これがストーブなどによって同じ場所に長時間温かい熱が当たった際に生じる​​「火だこ」で、正式名称は「温熱性紅斑​​」です。太ももやふくらはぎの裏のみならず、暖房器具の置き位置が近すぎた部位の皮膚、どこにでも出現します。年齢も関係ありません。

この次に詳しく紹介する低音やけどとは違い、痛みやかゆみの症状は出にくいため、ほとんどが「見た目」だけの問題となりますが、実はこれ、特効薬とかがないのです。できることは原因となる温熱器具を遠ざけるのみ。早い段階で気がつき、対策できればそれだけ消えるのも早いのですが、ことが長時間に及んでしまうと、色素沈着(シミ)ができてしまいます。こうなってしまった場合、医療保険で治療ができません。原因となるものを遠ざけ、まず半年間、患部が一切日焼けをしないように対策し、それでも茶色い色が残ってしまったら、顔のシミ取り治療と同様に、自費で治療をするか、皮膚科で相談せねばなりません。
意外と知らない「やけど」正確な知識をここでおさらい!

重症化が多い「低温やけど」

短時間の接触では問題とならない程度の温度が、熟睡していたり、体が不自由だったりして長時間にわたって接触部に作用することにより生じるやけどです。湯たんぽ、電気あんか、電気毛布および使い捨てカイロなど冬場に長時間、身体にあてて使用する製品に多く発生しています。充電して熱くなったスマートフォンで受傷するケースもあります。

若干乱暴な言い方になりますが、湯たんぽ使用は本当に要注意です。皮膚科の医師はほとんど使用していないです。最近、啓蒙ポスターなどが作られ、だいぶ受傷患者さんは減っていますが、まだまだ使用されている方がいらっしゃるな、という認識です。

お料理で、強火でさっと炒めるより、じっくりコトコト煮詰めたほうが中まで火が通りますよね。低温やけどがまさに、じっくりコトコトで中まで火が通っちゃうソレなのです。深いやけどで治るのに1ヶ月、2ヶ月、あるいはそれ以上かかってしまうこともありますし、何より、深いやけどはみにくい傷あとが残ってしまう。後悔されている患者さん、数多くみております。本当に注意されてくださいね。

以上、知っているようで知らない「やけど」について、詳しくお届けいたしました。以上、知っているようで知らない「やけど」について、詳しくお届けいたしました。今からでも!知っておいた方がよいことばかりです。ぜひこの機会にいざ!という時のことをシミュレーションしておきましょう。
意外と知らない「やけど」正確な知識をここでおさらい!

薬を飲むのはどうして食後?食事と薬の関係を紹介

執筆者: 山本 悠太(薬剤師)
[記事公開日] 2023-06-07 [最終更新日] 2024-01-09
大多数の薬は食後で処方されることがほとんどですが、これにはれっきとした理由があります。
なぜ薬を食後に飲む必要があるのかご存じですか?
今回は薬を食後に飲むべき理由をご紹介します。
[ 目次 ]
薬を飲むのはどうして食後?食事と薬の関係を紹介

食前?食感?食後?

薬局からもらってきた薬袋(薬が入っている紙またはビニールの袋)を確認してみると、用法のほとんどが「○食後」と書かれているかと思います。
しかし中には「○食前」や「食間」と指示されたものもあり、なぜ飲む方が分かれているのか不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。
まずは薬の用法である食前、食間、食後について整理していきます。

「食前」とは、食事を開始する約30分前のことを指します。
そこまで厳密である必要はありませんので、大体そのくらいなんだという認識で結構です。
中には食直前というものもあり、これは食事の一口目を摂取する本当に直前だと思ってください。

「食間」は食事と食事の間を指します。
よく勘違いされる方がいますが、ご飯とおかず、おかずとみそ汁の間ではありません。
食事のタイミング、例えば朝食と昼食の間の時間、昼食と夕食の間の時間を指し、大体食後約2時間です。

「食後」ですが食前同様で、食べ終わった約30分後を指します。
大多数の用法が食後と指定されているかと思います。
また、食直後という用法もあり、これは食後5分前後とイメージしていただければ結構です。
薬を飲むのはどうして食後?食事と薬の関係を紹介

薬を食後に飲むのはなぜ?

薬を食後に飲む一番の理由は、胃内容物があるためです。
胃の中に食べ物が入っていると、薬が意を刺激するのを緩和してくれるため胃腸への障害を抑えられます。
また、脂肪の多い食べ物と一緒の方が吸収性が上がる場合もあるため食後の薬が多く存在します。

ただし、薬の中には食前に飲んでも食後に飲んでも効果が変わらない薬剤もあります。
飲み忘れを防止するために食後としている場合もありますし、他の飲み薬と合わせるため食後にしている場合もあります。
今飲んでいる薬がどうしても食後でなければならないのか気になる場合は、薬剤師に相談することをおすすめします。

胃が荒れやすい方や、胸やけ、逆流性食道炎がある方は。基本出来に食後を守って飲むことが重要です。
どうしても食事が摂れないときは、ゼリーやプロテイン、牛乳等を先に摂取することをおすすめします。
それも難しい場合は、なるべく多めの水で薬を飲むことがおすすめです。

食前に飲んだ方がいい薬は?

それでは、逆に食前に飲んだ方がいい薬とはどのようなものなのでしょうか。
それは食後速やかに作用してほしい薬で、食後の血糖上昇を抑える薬や食後の吐き気や気持ち悪さを抑える薬が該当します。
また、胃の働きを助け、調子を整える健胃薬も食前に指定されることが多いです。

食後とは逆で、胃内容物がない方が吸収されやすい薬もあるため、そういった薬も食前に飲むよう指示されます。
ただし、こういった薬は食後に飲むと吸収率が落ちる場合がありますので、飲み忘れには十分注意が必要です。
薬局で薬をもらう際に、飲み忘れたときの対処法をよく聞いておくことをおすすめします。

食前薬の中には起床時に飲む薬もあります。
ビスホスホネート製剤と言われる骨粗鬆症の薬で、骨が脆くなるのを防ぐ薬です。
元々ビスホスホネート製剤は生物学的利用能が低いのですが、食物中のミネラルと反応し、ますます吸収率が悪くなってしまうため起床時が必須です。
薬を飲むのはどうして食後?食事と薬の関係を紹介

漢方薬はなぜ食前?

漢方薬はほとんどが食前とされていますが、これはなぜなのかご存じでしょうか。
いくつか理由がありますのでご紹介します。

まずは有効成分を適度に吸収させるためです。
生薬の中には強い効果を示す成分も配合されているため、食後だと過剰に吸収されすぎてしまい、副作用が強く出る場合があります。
特に「附子」や「甘草」が含まれている漢方薬は飲み方や量に十分注意が必要です。

次に西洋薬との相互作用を避けるためです。
西洋薬は前述したとおり食後のものが大多数を占めます。
西洋薬に含まれる成分と、漢方薬に含まれる成分が化学反応を起こし、錯体(キレート)を形成したり、含量が低下する場合があるため注意が必要です。

まとめ

薬を食後に飲む理由として薬と食事の因果関係を中心に紹介してきました。
薬は、飲むタイミングにって効果が最大限発揮できるよう設計されているため、なるべく指示された通り服用することが重要です。

特に注意していただきたいのは食前薬で、飲み忘れも多いですし、食後だと十分に効果を発揮できない恐れがあります。
必ず食前に服用し、飲み忘れがないよう心がけてください。

薬の飲み方や、食べ物との相互作用に困った際は、ぜひ薬剤師に気軽に相談してください。
処方箋がなくても、お気軽に薬局へ立ち寄ってみてください。
気軽に健康相談をお受けしておりますので、薬局でお待ちしております。
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