夏本番!汗による肌トラブルの原因と解決法
執筆者: 橘田 絵里香(形成外科医)
[記事公開日] 2023-06-18 [最終更新日] 2023-07-03
[ 目次 ]
「ワキ汗」「手汗」皮膚科で治療できます!
なんと! 脇の下や手のひらの汗に使用できる「塗り薬」が、次々と! 各種医療保険適用したうえでの処方が可能となっております。内服治療に抵抗があった方々にも朗報ではないでしょうか。
ワキ汗に対しては2020年11月にエクロック®︎ゲルという、ゲルタイプのお薬が承認され、昨年、ラピフォート®︎ワイプという、シートタイプのお薬が発売されています。手汗に対しては今年の6月1日から、アポハイド®︎ローションが保険適用で処方可能となりました。3剤ともエクリン汗腺という多汗に主に関わる汗の分泌腺に作用し、汗を分泌しなさいという交感神経の指令をブロックするお薬です。
ワキ汗は服の汗じみや臭い、手汗は社会的な交流(握手など)やテスト用紙などの紙が湿ってしまうなど、日常生活の多くの部分に支障をきたしていたかと思います。
今までは市販の制汗剤でしのいだり、汗パッドを購入したり、皮膚科を受診しても実費での処方だったりで、大変な苦労をなさっていた皆様はぜひ、この機会に皮膚科受診を検討してみてください。
※全ての方に処方できるわけではなく、診断基準と重症度を満たす必要がございます。
※副作用として塗った部位の皮膚炎やのどの渇き、光をまぶしく感じる(どちらも交感神経がブロックされ副交感神経が優位になったときの症状)が生じることがあります
※前立腺肥大や緑内障のある方は処方できないことがあります。
ワキ汗に対しては2020年11月にエクロック®︎ゲルという、ゲルタイプのお薬が承認され、昨年、ラピフォート®︎ワイプという、シートタイプのお薬が発売されています。手汗に対しては今年の6月1日から、アポハイド®︎ローションが保険適用で処方可能となりました。3剤ともエクリン汗腺という多汗に主に関わる汗の分泌腺に作用し、汗を分泌しなさいという交感神経の指令をブロックするお薬です。
ワキ汗は服の汗じみや臭い、手汗は社会的な交流(握手など)やテスト用紙などの紙が湿ってしまうなど、日常生活の多くの部分に支障をきたしていたかと思います。
今までは市販の制汗剤でしのいだり、汗パッドを購入したり、皮膚科を受診しても実費での処方だったりで、大変な苦労をなさっていた皆様はぜひ、この機会に皮膚科受診を検討してみてください。
※全ての方に処方できるわけではなく、診断基準と重症度を満たす必要がございます。
※副作用として塗った部位の皮膚炎やのどの渇き、光をまぶしく感じる(どちらも交感神経がブロックされ副交感神経が優位になったときの症状)が生じることがあります
※前立腺肥大や緑内障のある方は処方できないことがあります。
汗をかく=保湿できているとは限らない!!
汗をかく季節も、肌が乾いている人は多いです。冷房や冷たい飲み物で新陳代謝が落ちたりなどで、肌の内部が乾いているのです。試しに自分の体に水滴をかけてみてください。水滴はきちんと弾かれていますか? 「水も滴る…」と言いますが、水滴がダマにならず、べちゃっと広がってしまっている場合は、お肌のバリア機能は万全ではありません。一般にはお年を召した方ほど、お肌は水を「弾かなく」なります。お水を弾かない肌は、汗を弾くことができず、汗による皮膚炎のリスクが上がってしまいます。
夏も「保湿」は大事です!というと、皆様ビックリされます。汗は必ずしも石鹸を使わずとも、ぬるま湯だけでほとんど綺麗に流せます、というとさらにビックリされます。まず1にも2にも「保湿」ではあるのですが、化粧水や乳液・クリームなど「つけるもの」ばかり目が行きがちです。洗顔やクレンジング、体を洗う石鹸など「落とす方」も適切である必要があります。洗いすぎ、落としすぎの方が非常に多い、という事実を、くれぐれも忘れないでくださいね! そこで舵取りを間違われてしまうと、その後いくら高い化粧品を使用しても、保湿が追いつかない、などといったことにもなりかねません。
保湿とはお肌の水分と油分のバランスをちょうど良く保つということですが、水分が不足している方が非常に多いです。水分も油分も、つまり油分の多いクリームのみ真剣に塗っても「みずみずしさ」の原動力となる水分が少なくては、シワシワの、干し葡萄のようなお肌になってしまいます。冷房は適温に、冷たい飲み物の飲み過ぎに注意し、時によって温かい飲み物や、常温のものを取り入れていただくこと。そして何より…シャワーだけで済まさず、浴槽に入られてください。38℃〜39℃のぬるめのお湯に10分〜15分浸かっていただくのがおすすめです。
夏も「保湿」は大事です!というと、皆様ビックリされます。汗は必ずしも石鹸を使わずとも、ぬるま湯だけでほとんど綺麗に流せます、というとさらにビックリされます。まず1にも2にも「保湿」ではあるのですが、化粧水や乳液・クリームなど「つけるもの」ばかり目が行きがちです。洗顔やクレンジング、体を洗う石鹸など「落とす方」も適切である必要があります。洗いすぎ、落としすぎの方が非常に多い、という事実を、くれぐれも忘れないでくださいね! そこで舵取りを間違われてしまうと、その後いくら高い化粧品を使用しても、保湿が追いつかない、などといったことにもなりかねません。
保湿とはお肌の水分と油分のバランスをちょうど良く保つということですが、水分が不足している方が非常に多いです。水分も油分も、つまり油分の多いクリームのみ真剣に塗っても「みずみずしさ」の原動力となる水分が少なくては、シワシワの、干し葡萄のようなお肌になってしまいます。冷房は適温に、冷たい飲み物の飲み過ぎに注意し、時によって温かい飲み物や、常温のものを取り入れていただくこと。そして何より…シャワーだけで済まさず、浴槽に入られてください。38℃〜39℃のぬるめのお湯に10分〜15分浸かっていただくのがおすすめです。
汗をかくのは大事なことーー汗を悪者にするのは、違います!
臭いや痒み、と聞くと、汗をかくこと自体が悪か、のように捉えられてしまいがちなのですが、これは間違いです。人間は暑い時、汗をかくことにより、体を一定の体温に保っている、という大事なことを忘れてはなりません。必要な時に汗をかけないとなると、最悪、死に至ります。
よく、周りの同年代の高齢者は全く汗をかかないのに、自分だけ、と言ったお悩みを相談される方がいらっしゃいます。が、よくよくお話を聞くとこれ、周りの方が「高齢のため汗をかけなくなってきている」のであって、ご自身はきわめて正常、などという事態にも遭遇します。高齢の方が熱中症で死亡する確率が高いのは、適量の汗をかけないことが原因の一つです。本来、汗というものは、ほとんどベタつかず、舐めてもしょっぱくないもの。汗をかいてもタオルで拭いたり、涼しいところに入って汗を引かせば、後に残らないくらいが理想です。舐めてしょっぱいベタベタの汗が少量しか出ない、というのは危険信号です。必要な時に汗が出ない、というのもこれはこれで、いけないことなのです。
以上、この時期知っておきたい「汗とお肌のトラブル」について、お届けいたしました。いかがでしたでしょうか。少しでもお役に立てる部分がございましたら幸いです。
よく、周りの同年代の高齢者は全く汗をかかないのに、自分だけ、と言ったお悩みを相談される方がいらっしゃいます。が、よくよくお話を聞くとこれ、周りの方が「高齢のため汗をかけなくなってきている」のであって、ご自身はきわめて正常、などという事態にも遭遇します。高齢の方が熱中症で死亡する確率が高いのは、適量の汗をかけないことが原因の一つです。本来、汗というものは、ほとんどベタつかず、舐めてもしょっぱくないもの。汗をかいてもタオルで拭いたり、涼しいところに入って汗を引かせば、後に残らないくらいが理想です。舐めてしょっぱいベタベタの汗が少量しか出ない、というのは危険信号です。必要な時に汗が出ない、というのもこれはこれで、いけないことなのです。
以上、この時期知っておきたい「汗とお肌のトラブル」について、お届けいたしました。いかがでしたでしょうか。少しでもお役に立てる部分がございましたら幸いです。