ナンバーサプリのウィズメディカ倶楽部 vol.202611

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寒さに負けない体づくり 冬前に始めたい健康習慣

執筆者: 橘田 絵里香(形成外科医)
[記事公開日] 2026-11-01 [最終更新日] 2026-10-19
秋が深まると、そろそろ意識したいのが「冬に向けた体づくり」。

本格的に冬となり、寒くなってから慌てて対策するより、秋の終わりから生活習慣を整えておくことで、真冬をより快適に過ごせます。毎日の小さな積み重ねで、寒い季節を元気に乗り切る準備を始めましょう。
[ 目次 ]
寒さに負けない体づくり 冬前に始めたい健康習慣

気温が下がると、体にはどんな変化が起こる?

人の体には、外気温が変化しても体温を一定に保とうとする仕組みがあります。
寒い環境では、体表面から熱が逃げるのを防ぐために血管が収縮し、手足など末端への血流が減少します。気温が下がると手足の冷えを感じやすくなるのはそのためです。つまり、手足の冷えを改善するためには、実は手足ばかり温めてもダメ。体幹や内臓を冷やさないことが大切です。

また、寒さによって筋肉が緊張すると、肩や首のこりを感じることもあります。外出の機会が減り、運動量が少なくなれば、さらに血行が滞りやすくなってしまう。

加えて、秋から冬にかけては日照時間も短くなります。日光に当たる時間が減ると「冬季うつ」など、生活リズムが乱れたり、疲れを感じやすくなったり、気分が落ち込んだりすることも。

だからこそ「まだ真冬ではないから大丈夫」と油断せず、少しずつ体を寒さと日の短さに慣らしながら、生活全体を整えていくのが良いのです。

食事は「温かいもの」だけでなくバランスを意識

寒くなると、鍋料理やスープ、みそ汁など温かいメニューが恋しくなりますよね。
これは、先に申し上げた、内臓の温度を下げないようにし、手足の冷えを軽減する、という意味でも理にかなっているのです。

健康維持の基本はもちろん、主食、主菜、副菜を組み合わせ、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどを偏りなく取ることです。
なにも「体を温める食材」だけにこだわりすぎる必要はありません。たとえ体を冷やすと言われる食材だったとしても、栄養バランスを崩すことに比べれば、鍋に入れたり、具沢山の味噌汁にしたり、工夫次第で好きな食材を楽しみながら食べる方が、よほどよいこともあります。
忙しい日でも、温かい汁物や簡単なおかずを一品追加するなど、無理なく続けられる工夫をしてみましょう。

極端な食事制限を続けたりすると、エネルギー不足から寒さを感じやすくなることがあります。
肉や魚、卵、大豆製品などに含まれるたんぱく質は、筋肉など体をつくる材料になります。筋肉は熱を生み出す働きにも関わるため、適度な運動のみならず、バランス良く栄養を取ることがなにより大切なのです。
寒さに負けない体づくり 冬前に始めたい健康習慣

入浴と運動で、冷えにくい生活を

冷えを感じるときに取り入れやすい習慣のひとつが入浴です。たとえ忙しくともシャワーだけで済ませず、湯船につかること。

ここで注意すべきは、42℃以上の熱いお湯です。交感神経が刺激され、心拍数や血圧が上がるなど体への負担が大きくなり、皮膚の乾燥をも招きやすくなりますので、注意が必要です。理想は38〜40℃に10分程度。慣れないと少しぬるすぎるように感じるのですが、体温より高い温度であることに変わりなく、じっくり体の芯まで心地よく温められる温度で、皮膚への負担も少なく、湯冷めもしづらくなりますよ。筆者のおすすめです。

冷え対策として忘れてはいけないのが運動です。寒くなると外出がおっくうになりがちですが、特別な運動を始める必要はありません。

必ずしもジムに行って、とまでする必要はありません。理想は1日20分程度、まとめてでもコマ切れでもかまいません。喋りながらできる強度にて、家事、ウォーキングや軽い筋力トレーニング、ストレッチなど、今すぐできることからやってみる、くらいでかまいません。
迷ったら「家でキビキビ動く」ことからはじめてみてください。エレベーターではなく階段を使う、少し遠回りして歩く、家の中でスクワットをするなど、日常生活の中で体を動かす機会を増やすのもいいですね。

睡眠と休養も「冬支度」のひとつ

睡眠不足が続けば疲労が回復しにくくなり、日中の集中力低下や生活リズムの乱れにつながります。「睡眠の質の確保」、大事です。

なるべく毎日同じ時間帯に寝て起き、朝はカーテンを開けて光を浴びるなど、一定の生活リズムを意識してみましょう。

テレビやPC、スマホ画面の「ブルーライト」には注意してください。寝る直前までブルーライトを目に入れていると、睡眠のリズムが崩れてしまうのです。どうしてもスマートフォンやパソコンを使わねばならない場合は、ブルーライトをカットするモードに設定するなど、工夫してみてください。寝る前の紙の本での読書はOKです。
外が暗くなってきたら、家でも照明を少し落とすなど、眠るための準備時間をつくることもおすすめです。

疲れている日に無理をして運動したり予定を詰め込んだりするより、早めに休む、家でゴロゴロ、といった休養方法も大切な体調管理法の一つですが、
「アクティブレスト」つまり、休日は外にお散歩に行く、ゴルフをするなど、体を適度に動かしての気分転換も、有効な休養手段の一つとなりえます。ご自身の体調と相談しながら使い分けましょう。
寒さに負けない体づくり 冬前に始めたい健康習慣

本格的な冬が来る前に、できることから

生活習慣を大きく変えるというのは、なかなか難しいものです。

だからこそ、これならできるかな、と感じられるものを少しずつ取り入れて、習慣化できそうなものから、とりかかりましょう。こうして秋のうちから少しずつ冬モードへ切り替えていくことで、真冬の寒さをより快適に過ごすことができます。

温かく栄養バランスの取れた食事をとる。湯船につかる。毎日少しでも体を動かす。十分に眠り、疲れをため込まない。

特別な方法を無理に始める必要はありません。普段なんとなく行っている基本的な生活習慣を見直し、整えていくことが、冬を元気に過ごすための土台になります。

まずはできることを一つずつ、冬を快適に迎える準備を始めてみませんか。

酸化・糖化に負けない!若さを保つ食生活の秘訣

執筆者: 上月典子(管理栄養士)
[記事公開日] 2024-09-05 [最終更新日] 2026-10-05
年齢を重ねるにつれ、シミやシワ、肌のハリが気になったことはありませんか?老化の主な要因である「酸化・糖化」は、健康や美容に悪影響を与えることが知られています。

本記事では、これらのメカニズムと、若さを保つために役立つ栄養素や食材、生活習慣について解説します。
[ 目次 ]
酸化・糖化に負けない!若さを保つ食生活の秘訣

酸化・糖化とは?生活習慣病のリスクにも

■酸化とは
体内で発生する「活性酸素」によって、細胞や組織がダメージを受け体内の酸化が進む現象です。活性酸素はストレスや紫外線・喫煙などが原因で増加し、シワやシミさらに生活習慣病のリスクを高めます。

■糖化とは
血中の過剰な糖が体内のタンパク質と結びつき、AGEs(終末糖化産物)を生成します。これが肌にシワやシミ、くすみとして現れ、さらにハリが失われる原因となります。

酸化は「体のサビ」、糖化は「体のコゲ」とも呼ばれ、体の老化を進める主な要因です。

抗酸化作用のある栄養素|ビタミンの取り入れ方

抗酸化作用のあるビタミンは、活性酸素である酸化ストレスを軽減し、細胞の老化を遅らせる働きをします。代表的なビタミンと食材を紹介しますね。

■ビタミンC
水溶性ビタミンで、強力な抗酸化作用があります。体内でコラーゲンの生成を助け、シミやシワから肌を守ったり、免疫力を高めたりします。

・キウイ
・柑橘系果物
・パプリカ
・ブロッコリーなど

■ビタミンE
脂溶性ビタミンで細胞膜を保護し、酸化から体を守る働きがあります。血行を促進し、皮膚や血管の健康維持に役立ちます。

・アーモンド
・アボカド
・オリーブオイル
・ほうれん草など

■ビタミンA(β-カロテン)
体内でβ-カロテンから変換される脂溶性ビタミンで、視力の維持や免疫力の向上に役立ちます。抗酸化作用もあり、皮膚や粘膜の健康維持に重要です。

・にんじん
・かぼちゃ
・マンゴー
・ほうれん草など


水溶性のビタミンCは調理中に水に溶け出すことが多いため、スープやみそ汁・煮物などで煮汁ごと食べるのが良いでしょう。

脂溶性のビタミンEやビタミンA(β-カロテン)は、油と一緒に摂ることで吸収率が高まります。サラダや温野菜にオリーブオイルをかけたり、炒め物にして食べるのがおすすめです。
酸化・糖化に負けない!若さを保つ食生活の秘訣

鮮やかな色素や苦味成分フィトケミカルの抗酸化力

野菜や果物の色鮮やかな色素には「フィトケミカル」という、植物が外敵や紫外線から身を守るために生成する香りや色・辛味などの元になる成分が含まれています。

フィトケミカルには、強い抗酸化作用や免疫力を高める働きがあると期待されています。代表的なものと含まれる食材を紹介しますね。

■ポリフェノール類
フラボノイドは褐色やクリーム色、アントシアニンは赤・ピンク・紫・青・黒系色素など種類も多いです。

・アントシアニン(視力の維持に):ブルーベリー
・イソフラボン(女性ホルモンに似た作用):大豆製品
・カテキン(抗菌・抗酸化作用):緑茶
・エラグ酸(紫外線対策に):ラズベリーやザクロ

■カロテノイド類
動植物に存在する黄色・橙色・赤色などの色素成分です。

・リコペン(強力な抗酸化作用): トマト・すいか
・ルテイン(老化対策): ほうれん草やケール
・β-カロテン(ビタミンAに変換): 人参・カボチャ
・アスタキサンチン(保湿や美肌):鮭・イクラ・エビなど

■含硫化合物
刺激的な香りや辛みが特徴です。

・アリシン(抗菌・疲労回復):にんにく
・スルフォラファン(美肌):ブロッコリー
・イソチオシアネート(殺菌作用):大根など

他にも、アルカロイド類やテルペン類など、数千種類ともいわれるフィトケミカルが存在します。

これらのフィトケミカルは、サラダやミックススムージー、野菜たっぷりのスープなどで手軽に摂取できます。旬の野菜や果物を選ぶと栄養価が高く、価格も比較的安定しているので良いですね。

冷凍野菜や果物も栄養素を保ちながら手軽に使えるため、忙しくて時間がなく外食が多い人にもおすすめです。

食物繊維・低GI食品・発酵食品で糖化対策

食物繊維・低GI食品・発酵食品を摂り入れることで、糖化対策になります。

■食物繊維
特に水溶性食物繊維は、胃腸内でゲル状になり糖分の吸収を緩やかにします。これにより、血糖値が安定し糖化のリスクが軽減されます。

・大麦・オーツ麦
・昆布・わかめ
・こんにゃく・山芋
・ごぼう・オクラ・納豆など

■低GI値食品
低GI食品とは低グリセミック指数食品のことです。体内でゆっくりと消化・吸収され血糖値の急上昇を抑えるため、インスリンの過剰分泌を防ぎ、糖化のリスクを低減します。

・玄米や大麦
・そば
・オートミールなど

■発酵食品
発酵の過程で生成される乳酸菌や酵素などの成分が、体内の酸化ストレスを軽減し、糖化を防ぐ手助けをします。腸内フローラを整え、体全体の抗酸化力も高めることができます。

・ヨーグルト
・味噌
・納豆
・キムチなど
酸化・糖化に負けない!若さを保つ食生活の秘訣

食生活改善のポイント

■バランスの取れた食事
どれか一品のみで、栄養をすべて補うことは困難です。3大栄養素のほかにビタミン・ミネラル・食物繊維などを積極的に摂ることが大切です。

■過度な糖質制限は避ける
過剰な糖質摂取はエネルギーが枯渇してしまい、かえって健康を損ねる可能性があります。スナック菓子やジュース・アルコールなどを多く摂っているなと感じたら、まずはそこから控えるようにしてみてくださいね。

■ストレス管理と適度な運動
ストレスは酸化を促進します。リラックス時間や軽い運動は、血糖値の管理や抗酸化物質の生成を助けます。負担にならないことから始めてみましょう。

まとめ

酸化や糖化に負けず若さを保つためには、ビタミンやフィトケミカル、食物繊維、発酵食品をバランスよく摂り、ストレス管理や運動も取り入れることが大切です。

今日から始められることを少しずつ実践し継続することで、長期的に健康美を保つための力になるでしょう。
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