ナンバーサプリのウィズメディカ倶楽部 vol.202610

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朝晩の冷えに注意──10月から始める温活習慣

執筆者: 橘田 絵里香(形成外科医)
[記事公開日] 2026-10-01 [最終更新日] 2026-09-21
10月に入ると、日中は過ごしやすくても、朝晩はぐっと気温が下がる日が増えてきますよね。昼間との寒暖差も大きくなり、「まだ冬ではないから」と油断しているうちに、体の不調を感じることも少なくありません。

本格的な冬を迎える前の10月から、無理なく続けられる「温活」をご紹介します。
[ 目次 ]
朝晩の冷えに注意──10月から始める温活習慣

手足や体の冷え対策

「寒い」と感じてからでは遅いかもしれません。

気温が下がると、体は熱を逃がさないように血管を収縮させる結果、手足など体の末端まで血液が届きにくくなり、冷えを感じやすくなるわけですが、「寒い」と自覚する前になんとかしたいところ。

ありがちな話になってしまいますが、冷えが気になるとき、まず意識すべきは「冷やさない着こなし」を「楽しみながら」です。
10月は日によって気温差が大きいため、「重ね着」がポイント。薄手のダウン、カーディガンなどといった持ち運びしやすい上着、ストールなど、気温に合わせて脱ぎ着でき、かつ、持ち運びが苦にならない服をコーディネートしながら、暑すぎず、寒すぎない、心地よい季節をできるだけ長く楽しみたいところです。

ポイントは、首、手首、足首。動脈が体の表面近くを走る、こういった部分を冷たい空気にさらし続けると、体全体が寒く感じやすくなってしまうのです。靴下を履く、ストールで首元を覆うなど、ちょっとした工夫による体感温度の変化には、こういった背景があるのですよね。ぜひ意識してみてほしいです。

オフィスでは、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けていると、血流が滞り、足元が冷えやすくなります。ひざ掛けを使ったりはもちろん、1時間〜1時間半に1回、1分ほど立ち上がって足踏みをしてください。このついでにトイレで用を済ます、というのも賢いです。

厚着をしすぎて汗をかくと、その汗が冷えてかえって体温を奪うことがありますので、そこは難しいところ。汗ばむほど着込むのではなく、その日の気温に合わせて調節せねばなりません。
朝晩の冷えに注意──10月から始める温活習慣

入浴や軽い運動でめぐりを整える

体を温めるために取り入れやすいもう1つの習慣が入浴、それも浴槽に浸かることです。筆者はいかなる季節でも、この習慣だけは欠かせません。

暑い日でしたり、忙しかったり、といった日はつい、シャワーだけで済ませたくなりますが、湯船につかることで体全体をゆっくり温め、良質な睡眠をも得ることができます。筆者は外来でいつも、熱すぎるお湯に短時間入るのではなく、38〜40℃程度の、ちょっとぬるめ、だけど心地よいと感じる温度のお湯に、5分〜15分ほど浸かるのをおすすめしています。ぬるく感じたとしても、そこは体温よりは高いお湯。時間をかければいずれ体温は上がっていくものです。お料理する時、中まで火を通したい時、弱火で「じっくりコトコト」するじゃないですか。実はその原理なのですよね。入浴することで深部体温を上げていきたいところなので。

入浴後は体が冷えないうちに着替え、髪も早めに乾かしましょう。せっかく温まっても、濡れた髪のまま長時間過ごしてしまうと、温まった体が冷えてしまいます。

喋りながらできる強度での運動も、冷え対策に役立ちます。筋肉は動くことで熱を生み出すためです。ウォーキングやストレッチ、軽いスクワットなどが例としてあげられますが、家の中でいつもよりキビキビ早歩き、テキパキ家事をこなす、などでもよかったりします。なにも無理に激しい運動を始める必要はないのです。日常生活に無理なく取り入れ、習慣とするのがおすすめです。

先にも書きましたが、特に座りっぱなしの時間が長い人は、1時間〜1時間半に一度立ち上がる、足首を動かす、ふくらはぎを伸ばすなど、小まめに体を動かしてくださいね。
朝晩の冷えに注意──10月から始める温活習慣

体を冷やしにくい食事の工夫

冷えが気になる季節は、飲み物や食事でも温かさを意識してみましょう。

冷たい飲み物やサラダは体を冷やしてしまう食べ物です。夏にほどほどいただくのはいいのですけれどもね、10月ともなると、そろそろそればかりにならないよう、工夫していきたいところ。朝から体が温まりにくくなってしまうのは好ましくないので、筆者のおすすめはまず「朝イチの白湯」ですね。簡単なのでぜひ始めてみていただきたいです。お野菜は煮込みが◎。具沢山のみそ汁やスープなどは、今からでも取り入れやすいのではないでしょうか。

寒い時期には、鍋料理。筆者は寒くなると鍋ばかり食べております(笑)。鍋や煮込み料理など、温かいメニューが美味しい季節ですよね。鍋にするだけで肉や魚、卵、大豆製品などのたんぱく質に加え、野菜やきのこ類なども組み合わせ、偏りの少ない食事を心がけることができます。

しょうがなど、体が温まるイメージのある食材を取り入れるのも一つの方法ですが、特定の食品だけで冷えが改善するわけではありません。大切なのは、食事全体の内容を見渡して、必要な栄養をバランスよくとることなのです。今はアプリなどで食生活のバランスを見ることができますから、筆者は重宝しております。便利な時代になったものです。
朝晩の冷えに注意──10月から始める温活習慣

ぜひとも本格的な冬になる前の冷え対策を

10月は、夏の生活から冬の生活へと切り替えていく時期です。寒暖差に合わせて服装や食事、入浴、運動を少しずつ見直し、本格的な寒さを迎える前から冷えにくい生活を整えていきたいですね。

これまでに提示した「冷え対策」は、寒さが厳しくなってから慌てて始めるよりも、秋のうちから少しずつ生活習慣の一部として無理なく溶け込ませていくことがポイントです。ぜひ、今からでもできることから始めてみてください。

秋の乾燥から「肺」を守ろう!

執筆者: 小川 夏叶(以下に記入して下さい)
[記事公開日] 2024-09-06 [最終更新日] 2026-09-16
 秋になると毎年「コンッコンッ」といった感じの乾いた空咳に悩まされてはいませんか?秋は特に空気が乾燥し、咳の出やすい季節でもあります。咳の出やすい人はますます悩まされる季節ですね。この記事では、乾燥の季節である秋にダメージを受けやすい「肺」を守ることがテーマの記事です。特に、薬膳の観点から見た、薬膳食の情報が主となっています。
[ 目次 ]
秋の乾燥から「肺」を守ろう!

秋は肺の季節

 秋になると涼しくなり空気が乾燥してきます。中医学では秋は肺が最も活発に働く季節と言われています。

 ※中医学(中国伝統医薬学)で言う肺とは西洋医学で言う、肺という臓器そのものではなく、機能全般を指します。
 
 肺は、乾燥を嫌い、清潔で潤った状態を好む臓です。秋は、肺が活発に働く季節ですが、それでいて肺にとってとても厳しい季節とも言えます。言い換えると、肺にとって乾燥した厳しい環境であるがゆえに活発に働くとも言えます。

 この季節では一生懸命働こうとする「肺」を助けるよう意識して生活すると良いです。

肺を助けるには

 肺を助けるには、加湿も大事ですが、呼吸・肺に負担が掛かり過ぎない運動・食事(肺を補助する食材や献立を選ぶ)が大切になってきます。

① 呼吸 

 深い呼吸を意識するだけでも、肺に柔軟性が付きます。姿勢を正して胸を開くなどの胸のストレッチ、深呼吸を日々心掛けるだけでも効果があります。何かしらの方式を取り入れること以上に、呼吸に意識を向ける「習慣」を作ることが大切です。

② 肺に負担が掛かり過ぎない運動

 例えば、呼吸に意識を向けたヨガや、体操、水泳など自分のペースで身体を動かすことができる運動は、肺への負担を自分で調整しやすく、また、長く続けるモチベーションにも繋がりやすいです。

③ 食事 

 肺を補助する食材や献立を選ぶことが、秋の乾燥から肺を守るのに大切な鍵となってきます。

肺を乾燥から守る薬膳食材

 秋は中医学(中国伝統医薬学)では、前半は「温燥」、後半は「涼燥」として分けられ、温燥は毎年の立秋(りっしゅう)の8/8頃から白露(はくろ)の終わり9/22頃迄を指します。涼燥は秋分(しゅうぶん)9/23頃から霜降(そうこう)の終わり11/7頃迄を指し、両方共通しているのは空気が乾燥しているということです。


温燥 [立秋(りっしゅう)の8/8頃か~白露(はくろ)の終わり9/22頃迄]

 この時期はまだ残暑で、空気も温かく9月を過ぎるあたりから段々と空気の乾燥が気になり始めます。食材としても、肺を潤し、体の熱を冷ます涼性で苦味がある食材や、肺と密接に関係する脾と胃を調和してくれる甘味の食材を取り入れると良いです。この時期はまだ暖かいので、身体を温める効果がある辛味などの刺激の強い食べ物は控えた方が良いでしょう。例えば、生姜・唐辛子・ニンニクなどです。

温燥に良い食材 → 百合根 胡麻 卵 柿 梨 ほたて貝 牡蠣 きゅうり 豆腐 のり 長芋 蜂蜜 クコの実 白きくらげ など。


涼燥 [秋分(しゅうぶん)9/23頃から霜降(そうこう)の終わり11/7頃迄]

 この時期は、段々と陽気が陰り秋も本格的になり、寒さが増してくる季節です。空気も乾燥しているので、お肌や髪の毛の乾燥も体感としてはっきり気付きやすくなってきます。食材を選ぶ時のポイントは、身体を温める温性の作用があるもの。そして、同じく温める作用がある辛味の食材を選ぶと良いでしょう。更に酸味も中医学で津液と呼ばれる身体全体の水分を生じさせる効果があり、この時期にとても合う味の一つと言えます。

涼燥に良い食材 → もち米 栗 小松菜 胡麻 チーズ 牛乳 長芋 南瓜 蜂蜜 クコの実 桃 レモン ザクロ など。

温燥(秋の前半)に良いレシピ

☆梨と玉子のスープ☆

 秋の乾燥から肺を守ってくれるレシピです。
 梨の効果は、熱を取り、痰を取り除きます。津液(身体全体の水分の総称)を生じさせ、渇きを潤します。涼性の食品ですが、熱を通すことで体を冷やす効果が軽減されます。
 卵は、陰液(血液も含まれる営養を含んだ体液)を育み、潤いを得ることができます。
 クコの実は、目を滋養する食薬として知られていますが、肺を潤し、咳を止める効能もあります。

材料:梨・・・1個 (小~中玉)
   卵・・・2個
   クコの実・・・10g
   胡麻油・・・小さじ1
   醤油・・・大さじ2
   塩・・・少々
   水・・・500ml

作り方:
① 梨は皮を剥いて一口大に切る。
② 卵をボウルに割り入れ、よくかき混ぜる。
③ 鍋に水を入れ、煮立ったら梨を入れ10分程煮る。
④ 卵を溶き入れ、クコの実を加える。
⑤ 醤油、塩少々、胡麻油を加え味を調える。
秋の乾燥から「肺」を守ろう!

涼燥(秋の後半)に良いレシピ

☆クルミとシナモンの黒糖飴炊き☆

 このレシピの効果は、肺と身体を温めて、肺を潤す効果があります。
 クルミの飴炊きに体を温める黒砂糖を使いシナモン・蜂蜜を加えた、クルミの肺を温める作用に、シナモンの身体を温める作用、蜂蜜の肺気を補う作用を加えた、大分涼しくなってきた秋の後半(涼燥)に最適のレシピです。
 クルミは、補陽類という陽気を補う食材に分類され、主に腎と肺を温めます。そして、腸を潤し、便の通りも良くする効果があります。
 シナモン・黒砂糖は、体の内側(臓腑)を温める効果、シナモンは特に脾胃を温める効果に優れています。
 蜂蜜には、肺を潤し咳を止める効果があります。腸も潤し、便通を良くする効果もあります。

材料:クルミ・・・200g
   シナモン・・・小さじ1
   黒砂糖・・・80g
   蜂蜜・・・小さじ2(10g)
   水・・・50g

作り方:
① クルミをフライパンで3分ほど弱火~中火で乾煎りし、器に移しておく。※ローストしてあるクルミは乾煎り不要。
② フライパンに黒砂糖と水を入れ混ぜ、中火で沸々とに煮立たせます。
③ ②にクルミを入れ、ヘラでよく混ぜ、全体に黒糖が行き渡るように馴染ませます。次に蜂蜜を入れ、照りが出るまでよく混ぜます。
④ ③をクッキングシート(無ければ大皿でも可)に一つ一つが固まらないように広げて移し、最後にシナモンを全体に振り掛けて粗熱を取ります。
秋の乾燥から「肺」を守ろう!
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