ナンバーサプリのウィズメディカ倶楽部 vol.202609

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季節の変わり目に備える 9月の体調管理

執筆者: 橘田 絵里香(形成外科医)
[記事公開日] 2026-09-01 [最終更新日] 2026-08-18
夏と秋が一日の中に同居する9月、夏の間に乱れた生活のリズムを少しずつ戻し、段階的に秋モードにしていく「移行期間」の体調管理ポイントをおさらいしましょう。
[ 目次 ]
季節の変わり目に備える 9月の体調管理

暦の上では秋なのに

「昼間は真夏のような暑さ」「朝晩は涼しくなったけど、電車や職場ではまだまだ冷房」――夏と秋が一日の中に同居する9月は、だるい、眠い、食欲がない、頭が重い、胃腸の調子が悪いといった不調を感じる方も少なくありません。
「季節の変わり目だから仕方がない」? いえいえ、体調管理のポイントは意外と具体的です。

秋らしい生活へ一気に切り替える月ではありません。暑さ対策を続けながら、夏の間に乱れた生活のリズムを少しずつ戻し、段階的に秋モードにしていく「移行期間」ととらえてみましょう。
季節の変わり目に備える 9月の体調管理

9月に体調を崩しやすい理由

人の体は、体温を一定に保つことで成り立っています。汗をかくのは上がりすぎた体温を下げるためです。ところが9月は、日中と朝晩の時間帯によって、また屋外と冷房の効いた室内で温度差が体にこたえてくる時期です。気温の変化に合わせて衣服や室温を調整するのもなかなか難しく、暑さで消耗したり、逆に体を冷やしすぎたりしてしまいがち。

さらに、夏の暑さを乗り越えたことによる疲れが知らず知らずのうちに積み重なり、9月になってから疲れを自覚しはじめることもあります。温度変化への対応には自律神経が関わっているのですが、あらゆる不調を「自律神経の乱れ」の一言で済ませ、あきらめてしまってはいけません。

暑さ対策を急にやめない

9月の体調管理で、まず心がけたいのは、週間天気予報などで「実際の気温と湿度をよく見る」ことです。9月といっても、まだまだ気温が高い日もあります。熱中症の危険がなくなるわけではありません。暑い日は我慢せずに冷房を使い、外出時は帽子や日傘を活用しましょう。

冷房を使う際の「室温28度」はあくまで目安で、設定温度のことではありません。湿度、日当たり、部屋にいる人の年齢や体調によって、快適な室温は変わります。冷房よりも除湿モードに切り替えた方が快適な日もあります。「ご自身の体感」のみならず、温湿度計の数値も参考にしながら調節してください。
お店やオフィスなどで、冷房の調節ができない環境では、薄手の上着やストールなど、脱ぎ着しやすいものを一枚用意しておくと便利です。

こまめな水分補給も続けます。喉が渇いてから飲むのでは遅いです。少量ずつこまめに摂取するように心がけましょう。ただし、高血圧、心臓病、腎臓病などで治療中の方は、水分や塩分のとり方を主治医に確認してください。
季節の変わり目に備える 9月の体調管理

睡眠は「長さ」だけでなく「質」を見直す

「何時間眠ったか」だけではなく、朝起きたときに休まった感覚があるかに目を向けてください。

夏は、暑さで寝つけない、夜中に目が覚める、冷房を切って暑くなり目が覚めるなど、睡眠が不安定になりやすい季節でした。9月になってその疲れを感じることもあるでしょう。

まずは、休日を含めて寝る時刻・起きる時刻を大きくずらさないことです。起床後はカーテンを開けて朝の光を浴び、朝食をとりましょう。日中の適度な運動は良い眠りにつながります。まずはテキパキ家事をこなす、早歩きするなど、喋りながらできる強度で1日トータル20分ほど確保することから始めましょう。

眠る直前はデジタル機器を寝室へ持ち込まないことがおすすめではあるのですが、なかなか実践するのは難しい場合もありますよね。せめて​​スマートフォンの画面を「ナイトモード」に設定して、目に入るブルーライトの量を減らしましょう。寝酒をする、夕方以降にカフェインを多くとる、といった習慣も見直したいところです。
季節の変わり目に備える 9月の体調管理

食欲がないときは「量」より「組み合わせ」

残暑が続くと、そうめんだけで食事を済ませたくなる日も出てくるでしょう。しかし単品の食事が続いてしまうと、たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維などが不足しやすくなります。

基本は、エネルギー源となるご飯・パン・麺などの「主食」、肉・魚・卵・大豆製品などの「主菜」、野菜・きのこ・海藻などの「副菜」を組み合わせることです。たくさん食べるのではなく、ちょこちょこ少しずつ、腹7〜8分目を目標に。おにぎりに卵と具だくさんのみそ汁を添えるなど、少量でも三つをそろえる工夫をしてみましょう。

「疲れにはこれ」と特定の食品やサプリメントだけに頼るのも結構なことではありますが、まずは毎日の食事を整えるほうを優先してくださいね。

体を動かすのは「涼しい時間に少しずつ」でいい

暑さを避けて室内で過ごす時間が長いと、つい運動不足になってしまう気がする方も多いでしょう。しかし涼しい室内で、スペースに限りがあっても運動することは可能ですし、家事をテキパキやる、トイレまで早歩きか小走りをする、いつもより階段を早く上り下りする、といった形で活動強度を上げていくことも「運動」に含めてしまっていいのです。
夏、あまり動けなかったからといって、涼しくなった途端に、長時間のウォーキングや激しい運動を始めるのは禁物です。くれぐれもご注意ください。

「運動の秋」とはいえ、大切なのは、「今より少しだけ多く動く」ことです。持病がある方や、運動で痛みや息苦しさが出る方は特に、無理をせず医師に相談しながら実行してください。
季節の変わり目に備える 9月の体調管理

「季節のせい」で済ませぬために

9月の不調を防ぐための健康法は、これといって特別なものではありません。朝の天気予報を見て服装と冷房を調整する、こまめに水分をとる、起床時刻をそろえる、主食・主菜・副菜を意識する。基本的なことを無理なく一つずつこなしていくことが、いちばん確実な体調管理です。

秋を元気に迎えるために、この機会にぜひ毎日の過ごし方を見直してみましょう。

睡眠不足は太りやすい? 生理学的なメカニズムについて

執筆者: 森 健司(健康運動指導士)
[記事公開日] 2024-08-28 [最終更新日] 2026-08-07
睡眠は、私たちの体内バランスを整え、健康を維持するために欠かせないものです。しかし、睡眠が不足すると、ホルモンや代謝の変化を通じて、体重増加が引き起こされるリスクが高まります。ここでは、睡眠不足がどのように体重に影響を与えるか、その生理学的なメカニズムについて詳しく見ていきます。
[ 目次 ]
睡眠不足は太りやすい? 生理学的なメカニズムについて

はじめに

睡眠は私たちの健康と幸福に不可欠な要素であり、体と心をリフレッシュさせ、日常生活を支える基盤です。

しかし、現代社会では、忙しい生活や仕事のストレス、デジタルデバイスの過剰な使用などが原因で、多くの人々が十分な睡眠を確保できていません。

このような睡眠不足は、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があり、その一つが体重増加です。実際、睡眠不足が続くと、体重が増えやすくなることが研究で明らかになっています。

では、なぜ睡眠不足が太りやすさに影響するのでしょうか?その理由を生理学的な視点から探ってみましょう。
睡眠不足は太りやすい? 生理学的なメカニズムについて

ホルモンバランスの乱れ

睡眠不足は、食欲に関与するホルモンバランスを崩し、体重増加を促す要因となります。特に、グレリンとレプチンという二つのホルモンが大きな役割を果たします。

まず、グレリンは胃から分泌されるホルモンで、食欲を刺激する作用を持ちます。睡眠不足になると、グレリンの分泌量が増加し、結果として食欲が増進します。

たとえば、睡眠が足りていない朝、普段より強い空腹感を覚えるのは、このグレリンの影響によるものです。睡眠不足が続くと、グレリンの過剰分泌が常態化し、過食や間食の頻度が増え、体重が増加しやすくなります。

一方、レプチンは脂肪細胞から分泌され、食欲を抑える働きを持つホルモンです。しかし、睡眠不足が続くと、レプチンの分泌が減少し、食欲を抑える機能が低下します。

その結果、食事の満足感が得にくくなり、つい過剰なカロリーを摂取してしまうことになります。これらのホルモンの変化が相まって、睡眠不足は体重増加の一因となるのです。

代謝の減少

睡眠不足は、エネルギー代謝にも悪影響を及ぼします。

その一つが食事誘発性熱産生(DIT)の低下です。DITとは、食事によって摂取したエネルギーを体熱として消費する能力のことを指します。通常、食事を摂取すると、消化や吸収の過程でエネルギーが消費され、これが体熱として放出されます。

しかし、睡眠が不足すると、このDITの効率が低下し、摂取したエネルギーが十分に消費されず、脂肪として体に蓄積されやすくなります。

また、睡眠不足は、基礎代謝率(BMR)にも影響を与えます。

BMRは、安静時に消費されるエネルギー量のことを指し、体温の維持や呼吸、血液循環など、生命維持に必要な基本的な代謝活動に使われます。睡眠が不足すると、BMRが低下し、日常的に消費されるエネルギー量が減少します。

その結果、摂取カロリーが消費カロリーを上回りやすくなり、体重が増加するリスクが高まります。

運動不足

さらに睡眠不足が続くと、体は常に疲労感を抱えるようになります。この疲労感は、身体的な活動を抑制し、運動する意欲を低下させます。結果として、日常的な身体活動量が減少し、エネルギー消費も減少します。

運動不足は、エネルギーバランスの崩れを招き、余分なカロリーが脂肪として蓄積されやすくなります。

さらに、運動不足は筋力低下や基礎代謝の減少にもつながります。筋肉は、エネルギーを効率的に消費するために重要な役割を果たしますが、運動不足が続くと筋肉量が減少し、基礎代謝率も低下します。

これにより、日常生活で消費するエネルギー量が減り、体脂肪が蓄積しやすくなるのです。

また、睡眠不足は運動のパフォーマンスを低下させ、運動中のエネルギー消費効率も悪化させます。疲労感や集中力の低下により、運動の効果が十分に得られず、体重管理が難しくなる可能性があります。

まとめ

睡眠不足は、ホルモンバランスの乱れやエネルギー代謝の低下、運動不足を通じて体重増加を引き起こす重要な要因となります。

特に、グレリンとレプチンのバランスが崩れることで食欲が増進し、エネルギー消費が低下することで、体脂肪が蓄積しやすくなります。また、睡眠不足による疲労感は運動意欲を低下させ、さらに体重管理を困難にします。
睡眠不足は太りやすい? 生理学的なメカニズムについて

最後に

睡眠不足は、ホルモンバランスの乱れやエネルギー代謝の低下、運動不足を通じて体重増加を引き起こす重要な要因となります。

そのため、健康的な体重を維持するためには、十分な睡眠を確保することが不可欠です!

質の良い睡眠は、ホルモンバランスを整え、食欲を適切にコントロールするだけでなく、エネルギー代謝を正常に保ち、日中の活動や運動への意欲を高めます。

健康的なライフスタイルを維持するために、睡眠習慣の改善を意識し、毎日の生活に取り入れていきましょう。
睡眠不足は太りやすい? 生理学的なメカニズムについて
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