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梅雨時の体の不調──その原因と対策

執筆者: 橘田 絵里香(形成外科医)
[記事公開日] 2026-06-01 [最終更新日] 2026-05-18
どうも気分も体調も「どんより」してしまう梅雨の時期、少しでも健康に過ごす方法をお伝えします。
[ 目次 ]
梅雨時の体の不調──その原因と対策

どんより梅雨の時期…どうして憂鬱になってしまうの?

梅雨の時期、どうも気分が「どんより」してしまいますよね。
肌だけでなく「全身のコンディション」が崩れやすい時期でもあります。なんとなく体が重い、むくみやすい、頭が痛い、胃腸の調子が悪い…こうした不調を感じる方も少なくありません。

筆者が懇意にさせていただいている、「ゴッドハンド」スパセラピストさん曰く、雨の日の施術は「お客様の寝落ち率」が明らかに高いのだそうです!
実はこれ、「自律神経」が関係しているんです。

自律神経とは、一言でいうと、人間の「陰陽バランス」を整えている場所のこと。人生、テンションが上がりっぱなしでも、下がりっぱなしでもいけないじゃあないですか。動くときは動く、休む時は休む、休むから動くし、動くから休むんですね。こちらを制御しているコントロールセンターが「自律神経」なのです。気持ちや活動をアゲる方を「交感神経」、下げる方は「副交感神経」と言われます。この2つが巧妙に、噛み合うことで、人間の日々の活動、さらには人生をも(!)コントロールされているのです。
 
この自律神経、さまざまな要因で乱れるわけなのですが、晴れの日と雨の日、気圧が変わることによっても変化が生じます。
気圧の低い雨の日は、自律神経の中でも「下げる方」副交感神経が優位になると言われています。つまり、眠る、リラックスする方が優位に働くというわけです。
先にも申し上げました、人間の活動というものは「陰陽」両方の部分がバランス良く作用してこそ、心身ともに健康な状態が得られます。つまり副交感神経が優位になりっぱなしでもダメなのです。
梅雨の時期の憂鬱感は雨で副交感神経が優位になることが多く、陰陽バランスが崩れることによって生じるというわけなのです。
梅雨時の体の不調──その原因と対策

「同じ姿勢の継続」はNG

立ちっぱなしのお仕事、座りっぱなしのデスクワーク中心の方は、要注意です。同じ姿勢の継続というのは下半身のむくみや重だるさを感じやすいのです。対策としては、こまめに動くこと。実は貧乏ゆすりって、お行儀悪いように見えて、あれは体の「そろそろ滞ってきたから動いてくれ」のサインなんです。
立っている方は足踏みをしたり足首を回したり、屈伸運動や軽いストレッチを、座りっぱなしの方はとにかく1時間、長くても1時間半に1回、1分だけ立ち上がって足踏み、歩く、トイレに行くなどの動作を取り入れてください。
暑いからといって、シャワーだけですますのもいけません。浴槽にきちんと浸かりましょう。お風呂に入れると炭酸ガスの泡が出る入浴剤を利用しての炭酸浴もおすすめです。

胃腸の不調──対策は?

「胃腸の不調」も起こりやすくなります。この時期になると、冷たい飲み物や食べ物を摂る機会が増えますよね。実は体は意外と冷えてしまっているのです。人間の体温が一定なのはそれなりの理由がありまして、ざっくり申し上げると「その体温でこそ体のあらゆるところが機能する」ためです。
内臓が冷え、内臓温が下がれば消化機能が低下し、食欲不振や胃もたれ、下痢といった症状につながってしまうのです。「夏でも温かい飲み物しか飲まない」という女優さんもいるほど。冷たいものの飲み過ぎ、食べすぎは要注意です。
この時期になると冷房がかかりはじめますよね。冷房の効いた室内では羽織りものを使う、温かい飲み物を意識的に取り入れるなど、体温を下げすぎない工夫が必要です。

また、高温多湿の環境による細菌やカビの繁殖で、食中毒のリスクが高まる時期でもあります。作り置きは長時間放置しない、手洗いを徹底する、食品の保存状態に気を配るといった基本的な対策が、結果的に体調管理にも直結します。
梅雨時の体の不調──その原因と対策

勘違いしがちな「スキンケア」

次にお肌。湿気がある、汗をかくからといって、決して「お肌が潤ってる」わけではありません。若干乱暴な言い方ですが、25歳を超えたら肌は「潤い」からどんどん遠ざかる、くらいの認識で良いです。お肌の水分量は着々と減っております。梅雨でも保湿はしっかりしましょう。

また「雨の日は日焼けをしない」これまた間違いです。梅雨の期間、晴れていないからと日焼け止めを塗らない人がいるそうですが(!)とんでもないことです。本来、6月というのは太陽が一番高くなる時期。雲があっても相当な量の紫外線が地上に届いてます。こうした時期の日焼け止めは「塗る・飲む」の二本立てがおすすめです。加えて帽子・日傘・長袖など、物理的な防御手段が加われば、さらに安心。晴れずとも、万全の日焼け対策を怠らないようにしましょう。
梅雨時の体の不調──その原因と対策

サプリメントの活用も

日頃の食事で賄いきれない栄養素を、サプリメントの力を借りて補う、というのも有効な対策の一つです。

気圧の変化により、家で過ごす時間が増えるとTVやパソコン・スマートフォンの画面や読書など、目を使用する機会が増える結果、目の奥が痛むといった症状がでたりすることが増えてきます。こうした症状にはアスタキサンチン含有のサプリメントが有効なことがあります。

活動の低下、パソコン・スマホのやりすぎによる睡眠の質の低下には、GABA、グリシン、テアニン、カモミールなどといった成分が有効なケースがございます。ヤ〇ルト1000も良く眠れる効果があると話題になっておりましたね。こちらに関して、効果には個人差があるとは思われますので、その点はご注意ください。


以上、この時期知っておきたい「梅雨の健康トラブル」詳しい原因や対策について、お届けいたしました。いかがでしたでしょうか。いきなり全部とはいかなくても、これなら実践できそう、という部分がありましたらぜひ今から!対策していきましょう。

「疲れやすい」症状は心房細動かも!心房細動の症状と治療について

執筆者: 永田健(内科医)
[記事公開日] 2023-03-14 [最終更新日] 2026-05-11
「息切れがする」「なんだか疲れやすい」このような症状でお困りではありませんか?
原因は「心房細動」という不整脈かもしれません。疲れがたまっているだけか、と放置していると日常生活に支障をきたすだけでなく脳梗塞など大きな病気を発症する場合も。今回はもっとも身近な不整脈「心房細動」について解説します。
[ 目次 ]
「疲れやすい」症状は心房細動かも!心房細動の症状と治療について

不整脈とは? 

一般的に使われる「脈」とは心臓が拍動するリズムを指し、不整脈とはこのリズムが不規則であったり極端に速かったり遅かったりする状態をいいます。不整脈の定義は「心拍数50~100回/分の洞調律以外の脈拍」とされており、とても広い範囲を含んでいます。

不整脈は大きく3つに分類されます。

通常よりも脈が速くなる頻脈性不整脈と、逆に遅くなる徐脈性不整脈、また脈が途中で飛んでしまう期外収縮に大別され、それぞれに原因や症状が異なります。

不整脈の原因はさまざま!重大な病気のサインかもしれません。

先天的な心臓の構造異常や機能異常を含めてあらゆる心臓の病気が不整脈を起こす可能性があります。

とくに、急いで治療をするべきかどうかの判断として「心筋梗塞などの虚血性心疾患、心不全、心肥大などの器質的心疾患をもつかどうか」が重要です。

また心臓に異常がなくても、糖尿病や高血圧、ホルモン異常などによっても不整脈は引き起こされるため、身体全体の評価が必要となるでしょう。

不整脈は症状もさまざま!突然発症する怖い病気です

頻脈性不整脈は「ドキドキする」「胸がくるしい」など、突然の動悸などで発症することが多いです。

徐脈性不整脈の場合は、脳への血流が低下し「目の前が暗くなる」などの症状が発生します。そのほかにも、めまいや疲労感、脱力感として自覚される場合も。

いずれの場合も失神などの意識消失を起こす場合があり注意が必要です。さらに不整脈の中には心臓が急に停止する致死的なものもあり、突然死が最初の症状となってしまいます。

もっとも多い不整脈「心房細動」とは?

聞きなれない名前かもしれませんが、心房細動は頻脈性不整脈の一種で、頻度がたかく、もっとも一般的な不整脈です。

心臓の中には心拍のリズムを調整している「心房」と実際に心臓を動かす「心室」があります。

心房細動はこの「心房」から異常な信号が生じてしまう病気です。これにより、瞬間的にとてもはやくバラバラに乱れた心拍数が発生し、心臓が細かくふるえ、心臓本来の動きがそこなわれてしまいます。

心房細動が長く続くと、動悸や息切れが強くなったり、疲れやすくなったりと日常生活に支障をきたします。ただちに命の危険はありませんが、長期的には心不全や脳梗塞のリスクが高まります。

ストレス、疲れ、たばこ、お酒などは心房細動の引き金で、年齢が進むにつれて発症しやすく、高齢者に多い病気です。また高血圧や糖尿病も原因となるため、これらの病気のコントロールも重要です。

今後、高齢化社会の日本では心房細動の患者さんが増加していくでしょう。
「疲れやすい」症状は心房細動かも!心房細動の症状と治療について

心房細動の4割は無症状、あなたは大丈夫?

おもな症状は「ドキドキする」「胸が重くるしい」「息がきれる」「疲れやすい」など、さまざまです。中にはまったく症状のない人もおり、約4割の方が無症状であったとの報告もあります。

心房細動に気付かず、脳梗塞を発症して発覚するという場合も考えられます。とてもおそろしいですよね。

診断を確定するには心電図検査が必要になりますので、気になる症状があればまず病院を受診しましょう。

脳梗塞に注意!心房細動の治療について

心房細動は症状をくり返すため、生涯にわたる治療が必要となり、おおきく不整脈そのものの治療と脳梗塞予防に分けられます。

正常な脈拍に戻すための治療には、不整脈をおさえる薬の服用と心臓のカテーテル治療があります。

不整脈の症状が強く日常生活に支障がある場合は、脈拍が早くなることを抑える抗不整脈薬を服用することで症状をやわらげます。

一方で、心臓のカテーテル治療は異常な信号の発生源を焼灼または凍結壊死させます。奏功すれば完治を期待できますが、再発する場合もある治療法です。
 
不規則に心臓が動くと血液の流れがよどむために血栓が生じ、脳梗塞を引きおこすことがあります。そのため、血液が固まりにくくなる抗凝固薬を、患者さんそれぞれの脳梗塞リスクに応じて服用する必要があります。

特に心不全・高血圧症・糖尿病・75歳以上の高齢者の方では、より脳梗塞が発症しやすいとされるため、抗凝固薬による予防が推奨されています。

まとめ

不整脈は治療が必要ないものから致死的なものまでさまざまです。

なかでも心房細動は、高齢者で発症しやすく、高齢化社会の日本では今後も患者さんは増加していくでしょう。

禁煙やお酒を飲み過ぎないことなど、生活習慣を見直すことが発症予防のカギです。万一発症してしまった場合、てきせつな治療法は患者さんそれぞれで異なりますので、気になる症状があれば病院を受診し、医師に相談しましょう。
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