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秋の夜長に睡眠の質を高める!夜の習慣を見直してみましょう

執筆者: 橘田 絵里香(形成外科医)
[記事公開日] 2024-09-29 [最終更新日] 2024-10-03
質の良い睡眠は、健康と美容、そして精神的な安定の基盤です。日々のストレスから解放され、リフレッシュした状態で新しい日を迎えるため、夜の長いこの機会に、寝る前の習慣を見直してみましょう。
[ 目次 ]
秋の夜長に睡眠の質を高める!夜の習慣を見直してみましょう

健康の維持には良質な睡眠が不可欠!

睡眠は「質」が大事…よく耳にしますよね。しかし、質の良い睡眠とは、単に長い時間眠ることではありません。大事なのは「深く」、「十分に」、「規則的に」眠ること。睡眠の長さだけではなく、その中でいかに深い眠りを確保できるかが重要です。

質の良い睡眠を得ることで、心身の疲労回復、免疫力の向上、肌の活性化、集中力や記憶力の向上など、さまざまな健康効果が期待できます。さらに、アンチエイジングにも効果があり、健康や美しさ、そして精神的な若さを保つために不可欠なものです。

しかし、現代社会において、私たちは日々多くのストレスや情報に晒されており、睡眠の質が低下しがちです。

秋の夜長は、意識的に睡眠の質を高める良いタイミング。睡眠の質を向上させるためには「寝る前の時間」を適切に過ごし、それを「習慣化」することで、自分に合った「ナイトタイムルーティン」を確立していくことが大事です。(※ナイトタイムルーティン=寝る前に行う一連の活動や習慣)

睡眠不足や質の悪い睡眠は、肥満や糖尿病、心臓病などのリスクを高めるだけでなく、認知機能の低下などの精神的な問題を引き起こす可能性もあります。この機会にぜひ毎晩の「ナイトタイムルーティン」を見直し、良質な睡眠を手に入れましょう!
秋の夜長に睡眠の質を高める!夜の習慣を見直してみましょう

1. なるべく決まった時間に寝る

睡眠の質を上げるには、体内時計(サーカディアンリズム)を乱さないことが大切です。毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるように心がけましょう。規則的な睡眠パターンを保つことで、自然と眠くなるタイミングを体が覚え、入眠がスムーズになります。

週末でも、睡眠時間を大幅にずらさないように注意したいところです。寝だめの許容範囲は2時間以内、できれば1時間以内が理想的とされています。2時間以内のズレであれば、体内時計を大きく乱すことなくリセットできます。
秋の夜長に睡眠の質を高める!夜の習慣を見直してみましょう

2. 寝る2時間前に「お風呂」

就寝前の1〜2時間はリラックスする時間にしましょう。日本人に深く浸透する習慣の一つに「温かいお風呂に浸かる」というものがありますね。実は入浴によって体温が一時的に上昇し、その後、体温が下がっていく過程で自然と眠気が生じます。

寝る直前にお風呂に入り、体温が高いままで寝つきにくかった経験はありませんか?これは、体温が下がらないとスムーズに入眠できないためです。そのため、寝る2時間前くらいにお風呂から上がり、体温が徐々に下がっていくタイミングで布団に入るのが理想的です。

では、お風呂から上がった後、寝るまでの時間はどう過ごせば良いでしょうか。

3. 適切な照明を選ぶ

照明は睡眠の質に大きく影響します。夜は部屋の明かりを暗くし、柔らかな暖色系の照明を使用するのがおすすめです。明るすぎる照明は、体が「昼である」と勘違いし、覚醒を促してしまいます。暗くすることで体に「夜である」という信号を送り、睡眠の準備を整えることができます。

余談ですが、高級ホテルでは、窓が大きく、照明が少なめで、昼は自然光を取り入れ、夜は照明が暗めに設計されていることが多いですよね。これは、こうした事実に基づいているのではないかと筆者は考えています。

4. ブルーライトの影響を避ける

照明の話に続けて、スマートフォンやパソコン、テレビなどの電子機器が発するブルーライトにも注意しましょう。ブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制し、眠気を妨げる原因となります。就寝前の1時間は、これらの電子機器の使用を控えるのが理想的です。

とはいえ、パソコンやスマホでの作業が日常化している方も多いかと思います。そんな場合は、ブルーライトカットの眼鏡を使用したり、デバイスの夜間モードを活用するのがおすすめです。

また、ブルーライトを避けるために、紙の書籍を読んだり、音楽を聴くのも効果的です。最近は紙の書籍を手に取る機会が減り、本屋さんも少なくなりましたが、筆者はあえての「紙媒体」を意識的に活用、夜寝る前は紙媒体のテキストを使用して韓国語の勉強をすなどして、ブルーライトを回避するよう努めています。
秋の夜長に睡眠の質を高める!夜の習慣を見直してみましょう

5. 軽いストレッチやヨガを行う

寝る前に軽いストレッチやヨガを行うと、筋肉の緊張をほぐし、心を落ち着かせる効果があります。リラックスした状態で布団に入れるため、スムーズな入眠が期待できます。筆者のおすすめは、深い呼吸を伴うヨガのポーズ。座り仕事が多いため、太ももや骨盤の前側を伸ばすポーズや、股関節を開くポーズを日課にしています。

6. カフェインやアルコールの摂取を控える

カフェインは覚醒作用があり、摂取後も数時間その効果が持続します。また、アルコールは一時的に眠気を誘発するものの、睡眠の質を低下させます。午後以降はカフェインを含む飲み物(コーヒー、紅茶、エナジードリンクなど)の摂取をできれば控えましょう。

とはいえ、夜の会食などでお酒やカフェイン飲料を完全に避けるのは難しいこともあります。そのため、無理せず「減らす」ことを意識してみてください。
秋の夜長に睡眠の質を高める!夜の習慣を見直してみましょう

7. 快適な寝室環境を整える

寝室の温度は16〜20度、湿度は50〜60%程度が理想とされています。快適な睡眠環境を整えるために、寝る前にお部屋の温度・湿度をきっちり確認する、ということも習慣化してみましょう。

「香り」を活用するのもいいですね。
アロマの香りはリラックス効果を生み、睡眠の質を向上させます。寝室でアロマディフューザーを使用したり、枕に数滴垂らすことで、心地よい香りに包まれながら眠りにつくことができます。ラベンダーやカモミール、サンダルウッドなどの香りは入眠を促進し、リラックス効果が高いとされています。同じ香りでも日によって感じ方が違うので、楽しみながら深掘りしてみるのも良いでしょう。


以上、質の良い睡眠を得るための、ナイトタイムルーティンとして、有用な手段をまとめてみました。日々のストレスから解放され、リフレッシュした状態で新しい日を迎えるため、夜の長いこの季節にぜひ、見直してみてはいかがでしょうか。
秋の夜長に睡眠の質を高める!夜の習慣を見直してみましょう

秋の野菜で夏のダメージを乗り切ろう

執筆者: 渡邉優佳(管理栄養士)
[記事公開日] 2024-09-15 [最終更新日] 2024-10-03
日没の時間も少し早くなり、秋も近づいてきました。
しかし、まだまだ暑い日が多くて体調管理に油断ができない時期です。

今回は秋にかけて旬を迎える野菜と効能を紹介します。
美味しくて栄養価も高くなる旬の野菜を食べて、暑さによるダメージから乗り越えましょう。
[ 目次 ]
秋の野菜で夏のダメージを乗り切ろう

レタス

レタスは夏から秋にかけて旬を迎える野菜です。
レタスは旬の時期になるとみずみずしさが増して美味しく食べることができます。

そんなレタスには葉酸、ビタミンkが豊富です。

葉酸は赤血球の合成に関わる栄養素で貧血予防のために大切な栄養素です。
実は発汗によって失われやすい栄養素と言われています。
まだまだ暑さが続くこの時期にしっかり摂りたい栄養素です。

ビタミンkはカルシウムと骨の結合を促進する働きを持ちます。さらに、骨の成分であるコラーゲンの合成を促進させる働きも持つため、骨の健康に欠かせない栄養素です。

またもう少し涼しくなるリーフレタスが旬の時期になり、おすすめです。
リーフレタスはレタスに比べて、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンCを多く含み栄養価が高くなります。

レタスは水分が多いため加熱することでカサが減少し多く摂りやすくなります。
ビタミンA、Eは油との相性が良く炒めることで吸収効率が良くなります。
しかし、ビタミンC、葉酸は熱に弱いため加熱する時間はなるべく短くすることが望ましいです。
秋の野菜で夏のダメージを乗り切ろう

なす

夏野菜のイメージが強いナスですが、実は旬の時期は秋まで続きます。

最近の研究でなすにはコリンエステルという機能成分が豊富に含まれることが注目されています。
なすのコリンエステルの含有量は他の野菜の約3000倍と報告されています。
コリンエステルは交感神経の過剰な働きを抑えるため、血圧改善や、ストレス軽減、睡眠の質を改善する効果が期待されています。

またなすの色素成分のナスニンはポリフェノール類の一種で抗酸化作用に優れています。
動脈硬化予防や老化を抑える効果が期待されています。
さらに、ナスニンはブルーベリーの色素成分であるアントシアニンの仲間であり、目の働きを活性化させる効果も期待されています。

その他にも、糖質の吸収を抑える働きを持つポリフェノールのクロロゲン酸も含まれています。

なすの調理をする際、アク抜きは避けることが望ましいです。
コリンエステル、クロロゲン酸は水に流されやすい特徴を持ちます。
切った後にすぐに調理をすればアクが出にくくなります。
秋の野菜で夏のダメージを乗り切ろう

青梗菜

青梗菜には抗酸化3ビタミンと呼ばれるビタミンA、ビタミンE、ビタミンCが揃っています。優れた抗酸化作用は細菌やウイルス身体を守る効果や細胞をサビから守る効果が期待されています。

また骨の健康に関わるビタミンK、カルシウムも豊富です。

青梗菜のビタミンAやビタミンEは、油との相性が良いため炒め料理がおすすめです。
ビタミンCは熱に弱く水に流れやすい特徴を持つため、お浸しにする場合は電子レンジの活用がおすすめです。

ごぼう

ごぼうにはマグネシウムが豊富です。
マグネシウムは発汗で失われやすい栄養素で、不足するとこむら返りを引き起こします。
汗をたくさんかくとこむら返りが起きやすくなる原因の一つは、発汗によるマグネシウムの損失が考えられます。

また食物繊維が豊富で、水溶性と不溶性食物繊維をバランス良く含みます。
水溶性食物繊維は水分に溶けることで粘着性を持ち、食物の消化管の中の移動をゆっくりにします。腹持ちが良くなることや急激な血糖値の上昇を抑える効果が期待されています。不溶性食物繊維は便のカサを増して排便を促進する効果が期待されています。

その他にもクロロゲン酸やアクチゲニンといったポリフェノールも含みます。
クロロゲン酸は糖質の吸収を抑える働きが報告されています。
アクチゲニンはコレステロールの酸化を抑えて動脈硬化を予防します。また、睡眠の質を改善する効果も報告されています。

ポリフェノールや食物繊維は皮に多く含まれているため、ごぼうは皮ごと食べると良いでしょう。
また、クロロゲン酸、アクチゲニンは水に流されやすい特徴を持つためアク抜きは避けることが望ましいです。

里芋

里芋はヌメリ成分のガラクタン、ムチンは、胃腸の粘膜を保護して胃酸から守ります。また、糖質の吸収をゆっくりにして血糖値の上昇を緩やかにする効果もあります。

さらに、里芋は芋類の中でもカリウムが豊富です。カリウムは余分なナトリウムを排出を促し、血圧降下やむくみの改善効果が期待できます。

里芋はぬめり成分が出すぎると味が染み込みにくくなったり、煮汁が泡立ってしまいます。
しかし、ぬめりを取るために下茹でをしてしまうとガラクタンやムチン、カリウムが流れてしまいます。
里芋のぬめりは塩もみで取ることがおすすめです。
下茹でする場合はなるべく短時間にすると良いです。

しめじ

しめじにはビタミンDが豊富です。
ビタミンDカルシウムの吸収を促進する働きを持ちます。
最近の研究で、ビタミンDは免疫にも関わる栄養素であることが報告されています。
また、旨味成分としてグルタミン酸が豊富です。

グルタミン酸は免疫力低下や疲労の原因となる有害物質のアンモニアを排出させる働きがあります。

きのこは冷凍保存することで美味しさも栄養価も高まります。
冷凍することで細胞膜が破壊され旨味成分が出やすい状態になります。
冷凍したきのこは、生のきのこに比べて旨味成分が約3倍増えると言われています。

まとめ

夏から秋にかけて旬を迎える野菜は発汗により失いやすい成分や、暑さによる乱れやすい自律神経を整える栄養素が多く含まれていて体調管理に役立ちます。

また栄養価も高く美味しく食べれる旬の野菜も、調理方法や保存方法を工夫すればより高い効果が期待できるので、今回ご紹介した方法をぜひ実践してみてください。
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