日焼けの影響は肌だけじゃなかったーー体内への影響と対策
執筆者: 橘田 絵里香(形成外科医)
[記事公開日] 2024-04-30 [最終更新日] 2024-05-07
実は肌の奥にも到達し、体内の細胞や組織に損傷を与え、老化や疾患の原因となります。
今回は、そのメカニズムや影響、そして予防方法について詳しく解説いたしてまいります。
[ 目次 ]
皮膚だけじゃない!深層に達する紫外線に要注意!!
みなさま、全身に日焼けをすると、なんか疲れた感じがする、全身が気だるいなどといった経験をされたことは、ありませんか?
日光に含まれる紫外線は、肌に直接影響を与えるだけでなく、その奥深くに到達し、細胞内の酸素と反応して活性酸素を生成することが注目されています。こうして生成された活性酸素による諸々の症状は「酸化ストレス」とも呼ばれ、炭水化物やスイーツの摂りすぎによる糖化ストレスとともに、老化を促進する要因のひとつとして非常に注目される存在です。
紫外線はお肌のみならず、全身にわたって様々な影響を及ぼすのです。体内の細胞や組織に損傷を与え、老化や疾患の原因となるのです。
地表に届く主たる紫外線はUVBとUVAの2種類です。
UVBは、皮膚の表面に直接影響を与え、しみの原因になったり、一方、UVAは、深い層に到達し、活性酸素を生成して酸化ストレスを引き起こします。
日焼け止めの表示をみていただいて、SPFと書かれているのがUVBに対する値、PAと書かれているのがUVAに対する値です。この2つは波長の違いで、UVBは波長280-320nm、UVAは320-400nmです。
波長の短いUVBは皮膚表面に作用し、しみの原因になったり、遺伝子の変異を引き起こして皮膚がんのリスクを高めます。日焼けを起こす力で比べると、UVBはUVAの600-1000倍強いといわれており、目に見えやすい変化なので、UVBの効果の方を実感していることが多いと思います。でも実は怖いのがUVAなのです。なぜなら、波長が長いため皮膚の深くに入りこむという性質があり、皮膚で言うところのシワやたるみに関与するからです。シミよりもシワやたるみの方が治しにくい、などといった観点からしても、実はUVAは要注意だったりするのですが、紫外線による酸化ストレスにもUVA(紫外線A)が主に関与するのです。
日光に含まれる紫外線は、肌に直接影響を与えるだけでなく、その奥深くに到達し、細胞内の酸素と反応して活性酸素を生成することが注目されています。こうして生成された活性酸素による諸々の症状は「酸化ストレス」とも呼ばれ、炭水化物やスイーツの摂りすぎによる糖化ストレスとともに、老化を促進する要因のひとつとして非常に注目される存在です。
紫外線はお肌のみならず、全身にわたって様々な影響を及ぼすのです。体内の細胞や組織に損傷を与え、老化や疾患の原因となるのです。
地表に届く主たる紫外線はUVBとUVAの2種類です。
UVBは、皮膚の表面に直接影響を与え、しみの原因になったり、一方、UVAは、深い層に到達し、活性酸素を生成して酸化ストレスを引き起こします。
日焼け止めの表示をみていただいて、SPFと書かれているのがUVBに対する値、PAと書かれているのがUVAに対する値です。この2つは波長の違いで、UVBは波長280-320nm、UVAは320-400nmです。
波長の短いUVBは皮膚表面に作用し、しみの原因になったり、遺伝子の変異を引き起こして皮膚がんのリスクを高めます。日焼けを起こす力で比べると、UVBはUVAの600-1000倍強いといわれており、目に見えやすい変化なので、UVBの効果の方を実感していることが多いと思います。でも実は怖いのがUVAなのです。なぜなら、波長が長いため皮膚の深くに入りこむという性質があり、皮膚で言うところのシワやたるみに関与するからです。シミよりもシワやたるみの方が治しにくい、などといった観点からしても、実はUVAは要注意だったりするのですが、紫外線による酸化ストレスにもUVA(紫外線A)が主に関与するのです。
体内に発生した活性酸素ーー老化にどう関与する??
活性酸素は細胞内の構造や機能に損傷を与える可能性があります。人間の体はいくつもの細胞が集まってできているわけですが、その機能が低下させたり変性したりします。この結果、細胞の正常な機能が阻害され、健康問題が引き起こされてしまうのです。つまり、体内に発生する活性酸素は全身にさまざまな影響を与えうるのです。
酸化ストレスによって引き起こされた細胞損傷が、免疫細胞に及ぶと、その機能を阻害することにより、免疫機能を低下させてしまうのです。結果、感染症や病気に対する体の防御機構が弱まり、病気にかかりやすくなってしまいます。
その影響が神経系に及ぶと、アルツハイマー病やパーキンソン病に代表される神経変性疾患の発症や進行に関与する可能性があります。また、活性酸素によって引き起こされる炎症反応は、神経炎症や神経障害を引き起こす可能性があります。
さらに心臓や血管にも影響を与えます。血管内の活性酸素は、血管壁の損傷や血管内皮機能の低下を引き起こし、結果、高血圧や動脈硬化などの心血管疾患のリスクが増加してしまいます。
酸化ストレスははがんのリスクを増加させる可能性があります。酸化ストレスによって引き起こされたDNAの損傷は、がん細胞の発生や増殖を促進してしまいます。免疫機能の低下することによって、生成されたがん細胞を駆除できず、その結果、がんの進行に関与してしまう悪循環も引き起こします。
これらの影響を最小限に抑えるためには、適切な日焼け防止策、さらには抗酸化物質の摂取や健康なライフスタイルの習慣化などといった、適切な対策が必要になってくるのです。
酸化ストレスによって引き起こされた細胞損傷が、免疫細胞に及ぶと、その機能を阻害することにより、免疫機能を低下させてしまうのです。結果、感染症や病気に対する体の防御機構が弱まり、病気にかかりやすくなってしまいます。
その影響が神経系に及ぶと、アルツハイマー病やパーキンソン病に代表される神経変性疾患の発症や進行に関与する可能性があります。また、活性酸素によって引き起こされる炎症反応は、神経炎症や神経障害を引き起こす可能性があります。
さらに心臓や血管にも影響を与えます。血管内の活性酸素は、血管壁の損傷や血管内皮機能の低下を引き起こし、結果、高血圧や動脈硬化などの心血管疾患のリスクが増加してしまいます。
酸化ストレスははがんのリスクを増加させる可能性があります。酸化ストレスによって引き起こされたDNAの損傷は、がん細胞の発生や増殖を促進してしまいます。免疫機能の低下することによって、生成されたがん細胞を駆除できず、その結果、がんの進行に関与してしまう悪循環も引き起こします。
これらの影響を最小限に抑えるためには、適切な日焼け防止策、さらには抗酸化物質の摂取や健康なライフスタイルの習慣化などといった、適切な対策が必要になってくるのです。
「うっかり日焼け」予防はまずコレ!!
日差しによる活性酸素の生成を防止するためには、とにかく日焼けを予防すること。キーワードは「丸腰で日光を浴びないこと」です。
最強なのは日焼け止め+物理的な遮光です。
焼けてしまうと一番後悔するのが顔、うなじ、手の甲ですので、その辺りを踏まえ、SPF30、PA+++以上の日焼け止めを正しく塗った上で日傘、帽子、サングラス、アームカバーなどを組み合わせましょう。
「ちょっとだけならいいか」日常のふとした瞬間に浴びてしまう紫外線にも注意が必要です。洗濯物を干したり取り込んだりする時、ポストに郵便物を取りに行く時、「ちょっとそこまで」お買い物や自転車に乗る時…大体油断されている方がほとんどです。ほんの1分2分でも、365日積み重なるとどうなるか…! くれぐれもお気をつけくださいね。
最強なのは日焼け止め+物理的な遮光です。
焼けてしまうと一番後悔するのが顔、うなじ、手の甲ですので、その辺りを踏まえ、SPF30、PA+++以上の日焼け止めを正しく塗った上で日傘、帽子、サングラス、アームカバーなどを組み合わせましょう。
「ちょっとだけならいいか」日常のふとした瞬間に浴びてしまう紫外線にも注意が必要です。洗濯物を干したり取り込んだりする時、ポストに郵便物を取りに行く時、「ちょっとそこまで」お買い物や自転車に乗る時…大体油断されている方がほとんどです。ほんの1分2分でも、365日積み重なるとどうなるか…! くれぐれもお気をつけくださいね。
それでも体内に入ってきてしまった紫外線には「抗酸化」
酸化ストレスは、適切な食事やサプリメントの摂取で予防できます。「飲む日焼け止め」もこのカテゴリーに属します。ただし、あくまで、先の日焼け対策との併用が原則ですよ!
ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE(トコフェロール)、βカロテン、クエン酸、緑茶カテキン、コエンザイムQ10、ポリフェノール(様々な果物や野菜に含まれる成分)…
様々な抗酸化物質を含む食材やサプリメントが豊富に手に入る時代です。うまく利用しない手はないですね!
ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE(トコフェロール)、βカロテン、クエン酸、緑茶カテキン、コエンザイムQ10、ポリフェノール(様々な果物や野菜に含まれる成分)…
様々な抗酸化物質を含む食材やサプリメントが豊富に手に入る時代です。うまく利用しない手はないですね!
日差しによる体内活性酸素の発生は、肌のみならず、全身にわたる老化や疾患の原因となりますが、適切な対策を取ることでその影響を軽減することができます。日焼け止めの使用や適切な服装、抗酸化物質の摂取など、積極的な日焼け対策、そして日頃の食生活やサプリメント…!
これらの対策を実践することで、健康的な肌と体を維持し、日差しによる悪影響を最小限に抑えることがでるとならば、やるしかないですよね!? 今日からぜひ、心がけてみてください!
これらの対策を実践することで、健康的な肌と体を維持し、日差しによる悪影響を最小限に抑えることがでるとならば、やるしかないですよね!? 今日からぜひ、心がけてみてください!